2010/02/13

AruHarpにトルナボス

次期ギターはトルナボスを付けようと思っている。
そこで合間をみてトルナボス(= turned voice)の資料を集めだした。

トルナボスは何故すたれたのだろうか? ロマニリョス氏の説では、
 ①リスクが高い
 ②製作も手間だし、そのギターの修理も大変
 ③奏者にはよく聞こえなくなるので精神的不安をきたす
らしい。

としながらも彼も立派なトルナボスギターを作っている。また彼の弟子のステファン(orスティーブン)・リース氏も最近トルナボスギターを公開している。
それらはいずれも木製のトルナボスを備える。
やはり良い効果を見込んでのことだろう。

さて、トルナボスってなんでしょう?
ギターという共鳴箱に筒が仕込んである → ということは 重低音を謳うバスレフスピーカー と同じ理屈のようだ。
上記ステファン・リース(実はロマニの製作講習での助手:ぼくらはスティーブと呼ぶ)のトルナボスはまさにバスレフスピーカーだ。
これなら設計は簡単だ。トルナボスの共鳴周波数は計算で求められる。ビール瓶やフルートの歌口と同じ理屈だ。

それに対しトーレスのはトルナボスの端が裏板に立てた短い棒で保持されている。つまり表と裏が結果的につながっているのだ。
これは非常に話をややこしくする。しかもトルナボスは逆ラッパ形(円錐台)ときている。
裏板と表板がつながることによって、位相の問題がでてくる。
下手をすると表板の振動を裏板がうち消してしまうこともあろうだろう。
ボックス内部の空気振動が支配的な低音域は、トルナボスをつければ増幅されるだろうが、板の振動が支配的となる音域ではまるで鳴らなくなることも有り得る。
したがって恐ろしくバランスの悪いギターとなるだろう。
ここでトルナボス自体をチューニングする必要がでてくる、と思われる。

さて、ロマニリョスのトルナボスギターはどうなっているのだろう? 裏とつながっているのだろうか?
村治佳織が弾いている動画を見てもわからない。宙に浮いているようにも見えるが。

バスレフ式のトルナボスなら簡単に工作して実験できる。
手始めにアルハープに仕込んでみた。
この楽器は対面して弾くので効果がわかりやすいからだ。

 サウンドホールの直径は84mm
 ボール紙を丸めて、表面板と接する所にコルクを巻いてフィットさせると、
 筒の内径は76mmになった
 筒を長さをいろいろ変えて試してみた。
 
 楽器の容積をCADで計算して、筒(トルナボス)の共鳴周波数を計算すると
  筒の長さ 50mm のとき 137Hz (Cis近辺の音)
  筒の長さ 30mm のとき 162Hz (Fのちょっと低目)
 この楽器の最低音はギター6弦の3フレットと同じG(98Hz)の音なので、もしこれを増幅したければ
 ①筒を長くするか 、 ②筒を細くするか、 ③楽器の容積を増やすか
 ということになる。

試奏した感じでは、
 ・なぜか全体的に音量が増した
 ・弦の振動時間が長くなった  しかしいわゆる”余韻”は短かくなった感じ
 ・音色がクリアーに(というか鋭く)なった 特にブリッジ付近で弾くと極めて顕著

ということで、なかなかおもしろい。

次は筒の材質を変えてみよう。
そう、ギターでもやってみないと。


↓ ”トルナボス付き” アルハープ
aru_w_trnvs.jpg
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コメント

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No title

ギターでの、お試し楽しみですね!

洗濯板トルナボスというのは、いかがでしょうか?

N先生良く鳴るギター探してはります。

No title

楽さん、
洗濯板トル・・・実験してみましょう







No title

あ、また進化している!
すごいです!

音が大きくなる→待ってました!
弦の振動時間が長くなった→もしや残響が長くなるということですか?

ん~、奏法を変えないとだめかしら?

でも、大いに期待!
ところで「play aru」はまだですか?!
大いに期待、期待。。

No title

おばばさん、
まだ仮り付けの実験段階です。もう少し条件を探ってみて確実にOKとなれば本格設置しようと思います。もちろんお手持ちのAruでも特に低音域で効果が期待できますよ。
play aru ・・・ いましばらくお待ちを

No title

色々研究されていますね。
技術屋さん出身の製作家さんならではですね。
内容を公開されているところがすばらしいです。
伝統の上に相違工夫は大事ですね。

No title

Totanさん、
同じ技術屋出身のTotanさんのあくなき取り組みからいつもいい刺激をいただいています。ギター作りも始めたられたとのことで、ますます楽しみです。


No title

ほほう、低音域が効果大ですか!
今でもすごく響きますけど?!
もっとですか!
すごいっ!

おばば的にはそれに負けない高音が欲しいところです。
中間音もとても響きますが、高音は相当頑張らないとでません。

でもmaruさんのアルのすごいところは、相当強く弾いても
美しい音のままでいてくれるところです。

これが増幅されるのですね。
それもスピーカーでなくて。。。

期待してます♪



No title

おばばさん、
最高音域のあたりは、弦長が短くて張力も強いので相対的に指が負けるような感じになるからです。爪を併用すれば通る音が出やすいです。優しい音も鋭い音も指と爪のタッチ次第です。

低音側はクラシックギターなみの豊かさと深さを求めているので、私としてはまだまだ改良の余地があると思っています。

No title

あいた!
ピアノを弾くので深爪状態ですけど
希望はあるでしょうか???



No title

おばばさん、
ギタリストでピアノも弾く人を何人か知っています。ピアノを弾くときは指の腹を使うので爪はあまり気にしない人が多いです。
気になる人は、ギターのときは付け爪をしているようです。
アルの場合、爪といっても1mmもあれば充分です。

No title

よかったです。
わずか希望が持てそうですね。

精進しなければ。。。

No title

村治香織さんの弾くロマニロスを清里で聞いたのですが。
六弦の音色が他の弦に対して異質で、音楽を聴いていてなんとなく楽しめなかったのですよ。
わたしとしてはトルナボスギターは好みませんね。

No title

あるかんへるさん、
やはりそうでしたか。
原理的にみても、全体の統一感を維持するのは至難でしょうね。
それを個性と捉えるかどうかですね。