2011/08/11

ラコート7弦の製作-16 ウルフトーンの制御

弦を張ってから日増しにこのギターの持つエレガントさが感じられるようになってきました。

ひとつ気になることは、ウルフトーンが5弦1F(B音)から2F(H音)あたりにあることです。つまりここがこのギターボディの共鳴点ということです。ドスンという音が混じって強く弾弦するとフレットに接触してびびることもあります。

これは、ボディ容積とサウンドホール径により必然的に発生するものなので、板を削ったり力木を加減しても基本的に変化するものではありません(表面板のもつ共鳴点とは違います)。

サウンドホールはいじれないし、ボディの中に風船か何かを入れて容積を変えるのもイマイチなので、例のトルナボスを付けてみることにしました。深さ36mmで、とりあえずはボール紙製です。

すると予想どおり共鳴点が下がりました。GからG#の間(6弦の3Fから4F)です。弾いてみると6弦のその箇所ではかすかに感じるものの、5弦のくだんの箇所はすっきりとクリアーになりました。しかも全体的にも響きが良くなったようです。
ということで、木製の本番トルナボスの製作にかかります。もちろん着脱可能です。

サウンドホール径と胴の深さに関して最適化の余地があるという結論です。>ラコートさん、コストさんへ


▼上のグラフがトルナボス装着前、下が装着後
 点線のところのピークが124.5Hzから102.5Hzに下がりました。これがボディ共鳴点です。
 なお、その右にあるピーク位置(表面板の共鳴点)と、それ以降の波形も変化しています。 
hikaku.jpg






コメント

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No title

もし、19世紀に振動解析をするための装置あるいは道具があったら現代の楽器製作はどうなっていたでしょうか。全て自分の耳と経験とカンだけ。現代でもこれだけで(?)作っている方々もいらっしゃることでしょうからあまり変わってないのかも。それにしてもバスレフ効果のためのトルナボスがウルフトーンの位置を変えてしまうとは・・・表面板を磨いてチューニングとなると私の様な素人からは気が遠くなってしまいます。今回の解決方法、他の製作家の方々にも広まるとトルナボス復活(?)するかな。

No title

魅惑のギタリストさん、
トルナボスは影響が大きいだけに、悪い方向に作用するリスクがあるのと、接着してしまうと内部の修理がしにくいのがデメリットですね。それだけにうまく活用できたときは有難いです。

No title

興味深い分析ですネ

トルナボスがウルフトーンを下げることは経験的に
知ってはいましたが…グラフで見られるとは…

トルナボスの効果はバロックギターの羊皮紙の立体ロゼッタでも得られるそうです

ラコート時代にはなかったトルナボスより
洒落て羊皮紙のロゼッタはいかがでしょうネ 

No title

Mazaさん、
羊皮紙の立体ロゼッタですか。それはおしゃれでしょうね。

ひょっとして、バロックギターの作者は立体ロゼッタで低音ブースターの効果を狙ってたのでしょうかね。