2012/09/22

野村隆哉氏の「楽器用材研究会」に参加して

とき    2012.09.21
ところ   野村隆哉研究所(滋賀県湖南市)
参加者   投稿写真参照
目的    木材の熱化学還元処理(燻煙熱処理)の楽器用材への影響・効果の確認と考察

今回は、エレキベース、バイオリン、ギター、手回しオルゴール、マリアハープ、ギター用響板と裏板について、その音を聴き比べた。

1.エレキベース
  ①燻煙熱処理1回のカエデ材を使用
  ②同処理3回のカエデ材を使用
 ☆自分の感想 : 
  明確な違いは認識できなかった。
  どちらかと云えば3回品のほうが音の角がとれたような感じ。
  自分の好みは①の音。

2.バイオリン
  ①京都市響のバイオリニストが13年間弾きこんだ岩井孝夫氏製作品。
  ②ペグとあご当て以外は全て処理材で岩井氏が製作、完成ホヤホヤ品。
  ③100年前のヴィンテージバイオリン(産地と作者は失念)
  これらで上記バイオリニストが「タイスの瞑想曲」等を演奏
 ☆自分の感想 : 明確な差が感じられた。
  ①はプロが弾くバランスのとれた上品なバイオリンという感じ。これをリファレンスとすると、
  ②は、①より瑞々しくて若々しい(幼い?)感じ。音量もある。
   これから益々良くなるという雰囲気満点だが未来のことなので非科学的?
  ③これはやはり別物。最低音から最高音まで何のストレスもない。
   鳴り方と音楽表現に抜群の余裕を感じる。
   無理矢理うがった見方をすれば極めて優等生的で面白みに欠ける。
 ☆②はまだニスも乾いていない生まれたばかりの楽器にしては、魅力たっぷりに仕上がっていた。
  皆さんの評価も上々だった。これが処理の効果なのか元々の個体差なのかは?

3.手回しオルゴール (田中清人氏が製作)
  ①燻煙熱処理済みの杉材(丹波篠山産)
  ②処理しなかった同材
 ☆自分の感想 : 明確な違いが感じられた。
  ①のほうが全域にわたって音の粒立ちがよくて輪郭もはっきりしている。
   そのためか音の広がりを感じる。ただ、音源から離れると差は小さくなる。

4.マリアハープ (製作は田中清人氏、マリア味記子氏が演奏)
  ①処理済みのカラマツとポプラを組み合わせた楽器
  ②処理しないスプルースとインドローズを組み合わせた楽器
 ☆自分の感想
  樹種が違うので評価はできない。
  それほど高価でないと思われる材料の①でも
  じゅうぶん美しい響きがしていた。

5.ギター (平山照秋氏製作、試奏者も同氏と田中清人氏)
  ①燻煙熱処理したスプルースを表面板に使用
  ②同処理しない材料で製作
 ☆自分の感想 : 明確な違いが感じられた。
  ②の楽器だけを聴いていると大変魅力的な音に感じたが、①に比べると
   その音が平坦で薄くさえ思える。
  ①はどの音域でも1音1音がもれなく同じように鳴る感じ。
  その音がボディの深いところから聞こえる。
  自分には極めて魅力的な響きに聞こえた。
  後で自分で弾いてみてもそれを実感できた。
  これこそ処理による均質化およびセルロースの結晶化の賜物?

(参考)この2台は、①が機械式ペグで②は木ペグであること以外は同じ設計・製法。同氏が最近製作した小型のチェンバロでも燻煙熱処理の効果を確認したとのこと。

6.ギター響板完成品および裏板完成品 (田中清人氏製作中の「ラプレヴォットタイプギター」の部品)
 ・スプルースの響板では処理品のほうがタップ音に明瞭さがある。余韻もある
 ・カエデの裏板も若干同上の感じはあるが、先入観なくば同じに感じるかも

(まとめ)
燻煙熱処理によれば、自分の感想では少なくともオルゴールとギターに対して好ましい方向に作用していそうである。それは野村先生が仰るところの処理による木材内部の均質化とセルロースの結晶化ないしはその促進と推定される。
今後n数をもっともっと増やしていくことが何よりも望まれる。


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