2012/11/04

1950中出阪蔵オーバーホール

弦を張ってみてわかりましたが、これはかなりの名器です。62年という年月も手伝っていると思いますが。

・全面再塗装はセラックニス(シードラック)のタンポ塗りでおこなっています。
元々はセラックではなかったので全てはぎとりました。この作業で全体の7割は費やしています。

・指板とフレットを掃除してワイヤーウールをかけて、ここだけはオイル引きしました。

・バインディングとパーフリングの脱落が2ケ所あったので、似たような材を埋め込みました。

・糸巻きは錆び取りをしてコンパウンドで磨くときれいになりました。ちなみに3軸分離タイプの糸巻きです。

・塗り始めたばかりですが、ふとブリッジの接着が大丈夫か気になって恐る恐る弦を張ってみました。結果は大丈夫でした。よかった。

このギターの力木は扇型に3本だけですが、サドルのところに全幅に横バーがあります。
62年の間に表板や裏板のあちこちにヒビが入って、もれなく裏からパッチで補修してありますが、これがきちんとされていて非常に気持ちがいいです。

▼フロロカーボン弦を張ってみました。
パワフルかつ上品な響きです。バランスがものすごくいいので気持ちがいいです。
あのトーレスのレオナを思い出します。(弾いたことないですけど)
ただ、ナット部の弦幅が狭くて、サドル部の弦幅が広いので少し違和感はありました。
craftm_SN1.JPG


▼裏横は和材と思われる楓です。塗装が進むにつて「杢」がはっきりしてきました。
ネック材は山桜か真樺と思われます。
バインディング(朴の木?)がサイド板と同系色だったので着色しました。
craftm_SN2.JPG


▼1950と、薄いですがSakozo Nakade というのが読みとれます。
craftm_SN3.JPG

依頼者さまへ、月末までにはまちがいなくお渡しできます。お楽しみに。
ご依頼ありがとうございました。











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コメント

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No title

これは興味ありますね。
昔ですが、宮本金八さんや峰沢さんの古いギターを見たことがありましたが、年代物なので割れや剥がれがあり、実際の音を聴く事が出来ませんでした。
日本のこの時代のギターはどんな音がしていたのでしょうか?

No title

楽しみですね!!!有難う御座います。
依頼主様も喜ばれると思います。

No title

ウナミゴさん、
金八さんですか。黎明期のギターって感じですね。私も聴いたことないです。
楓のギター、やっぱりいいですね。また挑戦してみたくなりました。

No title

楽・酒・楕円さん、
綺麗になりました。もう少しでお披露目できます。



No title

興味本位でお伺いしますが、塗装剥がしはペーパーがけとかスクレイパーなどで剥がしたのでしょうか?

No title

えるびさん、
コメントありがとうございます。
塗装剥がしですが、今回のは主にスクレーパであとは軽くペーパをかけました。
塗膜の物質と厚み、板の厚みとその余裕によってケースバイケースですね。

No title

ご返答ありがとうございます。さぞかし大変な作業だったと想像します。
実はうちにも阪蔵氏のB2というモデルがありまして、こゆい色を落としたら綺麗だろうなぁなどと思っておりました。
しかもこ奴、ほんの少しですがヒールがボディから浮きかけてます。
阪蔵さんのギターはダブテイルジョイントのドイツ式なんでしょうかね。
音色は明るく張りのある良い音なので、いつか修理に出そうと思っております。

No title

えるびさん、
B2をお持ちでしたか。この記事のモデルは何でしょうかね。
ドイツ式みたいですが、ダブテイルか単純ホゾかは??です。いずれにしてもヒールの浮きかけは補修が必要ですね。