2008/01/18

ギター力木の調整

先日、紹介したギター表面板(響板)の振動解析の続報です。

下はバスバー(力木)接着直後の波形です。板を吊るして振り子で叩き(タッピング)ました。
この時点では7本のバスバーの断面は長方形で、その高さも3mmほど大き目になっています。
上のグラフの横軸は時間(ms)、縦軸は音の強さです。
下のグラフの横軸は周波数(対数)、縦軸はその強さ(dB)です。
ちょっと小さいですが目盛も読めると思います。

調整前



次に、バスバーを削って成型したあとの波形を示します。下のグラフです。縦横のスケールは上のグラフと同じです。
これを見てわかることは、
 1.振幅が大きくなった ・・・ つまり大きな音になった
 2.500msを過ぎてもまだ振動している ・・・ 残響が長くなった
 3.周波数のピーク値の強度が大きくなった
 4.ピークを示す周波数がシフトしている
というように、成型の効果を確認することが出来ました。

工程的には、一応バスバーはこの状態にしておきます。
ちなみに最も高いピークを示す周波数は196.5Hzで、これは実音”ソ(196Hz)”に一致しており良くない状態ですが、これからハーモニックバー(横棒)などいくつかのパーツを接着するので、このピークはまだシフトすることが考えられます。

すべてのパーツを装着してから再び振動解析して、周波数のピークを目的の位置になるようにバスバーなどを再調整します。
目的の位置とは、最終的に完成した響板の持つ固有振動数(共鳴周波数)が実音の”ソ”とか”ファ#”とか”ソ#”とかにドンピシャに重ならない位置をいいます。

前作までの私もそうですが、多くの弦楽器製作者は耳と脳でこんなグラフを描きながら響板を調整しているのです。

今回のような可視化で、ある程度は音量やバランスを制御することが出来ると思いますが、前にも書きましたが完成したギターの ”音色が美しい” かどうかは全くの別問題です。
それはもっと神聖で神秘的な領域であるはずです。

調整後

コメント

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No title

ひとつ書き忘れました。

この測定では板の吊るし方と叩き方によって結果が違ってきます。
還元するとそこが最大のポイントなんですが。
これを誤ると、あさってのデータを採取していることになります。

No title

誤:還元
正:換言

でした。失礼しました。

No title

楽曲分析を詳細にして内容を理解するのと
実際の演奏とは別物といことと、多少にて
いるところがあるかもしれませんね。

それにしても 興味深い映像ですね。

No title

HSPTさん、
感情に訴えるところは、なかなか理屈では解決できませんね。

No title

どんどん進んで行きますね。
機械的な計測結果が全てだとは思いませんが,裏づけにはなりますね。
研究が進んで,最高のギターが完成すると良いですね。
楽しみです。

No title

まだ答えは出ていませんが、尺度のひとつとして有効に利用できればと思っています。