2013/07/31

クラシックギター(TE-1)の製作 ②トップ板選択

ギター用の材料は、工房の2階の大きな本棚みたいな材料ラックに立ててあります。夏になると50℃近くまで上がるので仕事はできませんが絶好の乾燥部屋になります。板の反り止めとなる添木を付けてないので反る材料も当然出てきますが、それは承知の上でそんな環境でも反らなかったものだけを使っています。

今回は2005年と2006年に入手した欧州スプルースの中から選びます。その中にはスモークチーズの香りがぷんぷんするものもあります。ボディの大きさを考えて、なるべく目の詰んだヤング率の大きいものを選んで接いでいます。



2013/07/30

クラギ(TE-1)の製作 ①設計

これから作るギターです。松/ハカランダの組み合わせです。

ご依頼の際、主要箇所の寸法指定がありました ・・・ これまで、アルハープから始まって、ハープリュート、7弦ラコートなど非常に開発的要素の大きい楽器を作ってきましたが、このギターも間違いなくその仲間にはいるでしょう ・・・ 理由は、弦長635mmに対して650mmのギターよりかなり大きくて深いボディをご希望だからです。

その寸法設定を伺って  ・・・ そんなことは決してないと思いますが、自分の気性を見透かされた気がしました。前例にないことや他人が自信が持てないことこそ、寧ろ喜んでやりたがる人ということを。いやあ、ファイトが湧いてきました。

▼トップはドイツ松
おおむねこのパターンで何枚か作った中から選ぶつもりです。カーボンロービング使用もありえます。
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2013/07/30

オーディオラック作り ⑫納品

雨なく日も照らず、この時期としては絶好の納品日和でした。

たいへんな重量物なので、お客様に搬出入を手伝っていただくという異例の対応を余儀なくされました。おかげさまで極めてスムーズにいきました。Y様、ほんとうにありがとうございました。
隣県の町まで小一時間のドライブ、客先での助手として家人も載せていきました。そのかいあって、けっこう捗(はかど)りました。

Y様はオーディオ通のほかに、実はたいへんなクラシックギターの奏者/愛好家でもあります。
家具の設置終了後に、数々の銘器コレクションを触らせていただくことができました。そのなかで特に印象深かったのは、マヌエル・カセレスの超柾ハカランダです。明るさも歯切れの良さも何もかもに「洗練された」という連体詞をつけたくなります。カセレス氏が相当意識して1500gそこそこという軽さで仕上げた結果でしょうか。ちょうどこれからギターモードになるので、いいイメージをいただきました。

▼機器類やCDはまだ入ってません (いまごろきっと収納作業・・されていると思います)
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▼扉に映った自分の姿を撮っています
通常のレンズなので、このアングルでも家具の垂直線はまっぐなりません
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2013/07/29

杉トップのギター完成

工房初の杉のギターです。製作教室で一年がかりで作り上げました。ほとんど私の工作ですが、随所のアイデアや思いは100%生徒さんのものです。

客観的にみてもなかなの出来かなと思います。杉自体がかなりの良材だったことと、その板厚設定とブレイシングがマッチングしたのかなと結果的に考察されます。

リファレンスにオーガスチン赤の低音とプロアルテハードの高音弦を張りました。
ずいぶん余裕のある音の出方です。私の松のギターが直線的だとすれば、このギターには三次元的な拡がりを感じます。工房で生徒さんが弾くのを聴いていると、明確なステレオ感があります。ホールなら横の壁から音が聞こえてくるような?

優雅さやメランコリックな情緒が表現しやすくて、弾いていても聴いていてもとても気持ちがいいです。かっこうは同じでも、松の楽器とはやはり全くの別物というのが、私の印象です。

生徒さんのご厚意により、しばらく工房においておきます。私のような者からバリバリの弾き手まで楽しめる楽器だと思いますので、どうぞ試奏してみてくださいませ。

☆写真や詳細データは、そのうち製作教室のblogにアップいたします。



2013/07/26

オーディオラック作り ⑪完成

さあ、扉を取り付けます。
蝶番を3つずつ使います。単純な蝶番(あとで調整できないタイプ)なので取り付け穴の位置決めがかなりの難作業です。
ひとりでやっさもっさしているとき、製作教室の生徒さん(NMさん)がちょっと早めに来られたので手伝ってもらいました。
お陰さまできちんと位置決めすることができました。

▼裏板は客先で取り付けるので向こうが見えてます
本体はアッシュ無垢材、棚板は馬尾松(まびしょう)の集成材、
オスモ#3101仕上げ
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▼CDの棚には取り外しできるストッパーを付けました
扉は外して運搬して、客先で取り付けるので木ネジ一本で仮止めしています
扉側は蝶番プレートの厚みのぶんを彫り込んでいます
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▼抽斗の前板(鏡板と呼ぶ)はミズナラ、側板と向こう板はアルダー
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全幅1050mmで高さ500mmなんですが、家のVolvo850エステートにすっぽり納められます。自分で云うのもなんですが、イイネ! です。


2013/07/23

オーディオラック作り ⑩塗装仕上

抽斗(ひきだし)と裏板も製作したので、塗装に入ります。

まずすべての面を水拭きしてから#240でサンディングして、毛羽取りをします。こうしておくと水性ステインで着色したあと毛羽が立ちません。今回、ご希望により薄茶色にします。水性の導管染色材(ポアーステイン:ワシン)を5倍に薄めて使用しました。
その塗り方ですが、固いスポンジにウエスをくるんでこれで木目に沿って塗っていきます。広い面をムラなく塗るときの自分の方法です。

上塗りはオスモ社のノーマルクリアーを使用します。自分は木綿のウエスを使います。セラックのタンポ塗りの要領(円運動)で木地にオイルを摺りこんでから木目に沿って円運動の跡を消します。2~3分おいてから別のウエスで余剰のオイルをしっかりと木目に沿って拭き取ります。このとき「磨く」という意識もあったほうがいいと思います。ツルツル仕上げをするときは耐水の#800とか#1500で研ぎながらオスモを摺り込みますが、今回はいたしません。

オスモノーマルクリアーの場合は、自分は2回塗りを基本としています。1回目はほとんど浸透に消費され、2回目でオスモに含まれるオイルとカルナバワックスの風合いが出てくるからです。

おりしも大暑の日、大きな本体と2枚の扉と7枚の棚板の塗装は、さすがに重労働です。ほんの5年前なら一気にやってしまえたのにと思いながら、まあそれでも木肌がみるみる変化するのが楽しいです。

▼本体の外面だけオスモを1回塗った状態です こちらは背面です
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▼こちらが前面。写真の左下に抽斗、右端に扉が見えます
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2013/07/21

アイデアいっぱいいただいた

ふとしたきっかけで、「製作教室はじめます」の告知をしたのが昨年の6月。それから1月もしないうちにクラシックギターを最初から作りたいとの申し込みがあった。

ソレーラ(製作台)や外型枠作りから始まって、ベンディングマシンを新作し、材料選びに時を惜しまず、新たなブレイシング設計に知恵を絞った。
生徒さんの望む音についてのコンセプトはもちろん、デザイン面についても極めて明快だった。そのため、ご希望により実作業をしたのはほとんど自分だったが何かにつけて決断しやすかった。

もとより、クラシックギターはもちろん、ウクレレ、アコギに至るまで私の何倍も経験・知識をお持ちだ。製作技術だって、知らなかったことをいくつも教えていただいた。かくしてこの一年、いっしょに仕事しながら自分の頭の中にも新しい抽斗(ひきだし)がいくつも増えた。

そのギターに、今日ようやくブリッジを貼り付けた。その気になればもう明日にでも音を鳴らすことが可能だ。
杉のトップ、ブーシェ+アグアドのようなブレイシングで、ブリッジバーにはカーボンを接着、ギルバートブリッジ、ラウンドした指板、サッチーネの幅広バインディング、真鍮フレット ・・・ どれも工房では初めての試み。


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2013/07/19

アコギ教室のギター完成!

製作教室でOSさんが取り組んでいたトリプルOのキットが完成しました。キットとはいっても材料は立派なものなので(特にットップが素晴らしい)、バリバリの手工ギターサウンドがしました。わたしもホっとしています。生徒さん(OSさん)といえば、かなりホットでさっそく自作の曲をいくつも披露してくれました。
「いいギターは生まれた時からいいものを持っていなければならない」というのは、鉄弦ギターもいっしょだと思います。

詳細は、http://g-makingclass.seesaa.net/ を。

▼OSさんです。了解が得られましたら全体のお姿に更新します。左で弾く姿を載せたかったもので。
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2013/07/18

ルビーのポジションマーク

クラシックギターのポジションマークといえば、粘着性の小さな丸い紙片が定番ですが、こちらはゴージャスなマークです。モノホン(本物)のピンクルビーです。

穴は、3.5mmと3.8mmの鉄工用のキリであけました。ルビーはいわゆる宝石型のカットをしているので、キリの先端形状が割とうまくフィットしました。とりあえず埋め込んでみるとキラキラとしてます。これでいけるということで、エポキシを流し込んで宝石を嵌めこんだら ・・・ 真っ黒になって全然光りません!宝石と黒檀の隙間をエポキシが充填してしまったためですね。これではアキマヘン。

そこで、貝をインレイする時の技の流用です。アルミ箔を切って穴底に敷いてみたらOKでした。(写真)

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▼ちなみこのギターは、イタリアのGiuseppe Guagliardoで、海外で購入とのこと。日本では入手困難の由。
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2013/07/13

オーディオラック作り ⑨組み立て2

このところ週の半分は製作教室で自分も楽しんでおりますが、ご注文の品もぼちぼちと進んでおります。
きょうは依頼者さんと打ち合わせで塗装色を決めました。
組み立ては完了しましたが、左列の一番下に抽斗(ひきだし)を設置するのと、裏板を張る作業が残っています。
総重量は100Kg前後と思われるので、運搬の便宜を考えて扉は現地で取り付けるつもりです。

で、写真の右上にぶら下がっている楽器は ・・・・・・・・・・  
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製作教室のクラシックギターコースにお見えのO氏製作のテナーウクレレです。縮み杢とカビ色が美しい栃の木のトップ、サイド・バックはホンジュラスローズ。ウクレレもこれくらいの大きさになると、ぼくでも弾きやすくて工房では重宝させていただいてます。作りも素晴らしく、ともすればギターと間違えるような響きがします。
なお、その後ろに吊ってあるのはそのO氏が取り組まれているのクラシックギターです。こちらの詳細は教室のblogで。

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