2012/11/28

ギター製作コンクールのレポート

11月23日から25日まで、第3回アマチュアギター製作コンクールが、
茨城県石岡市のギター文化館で開催されました。
同館20周年記念ということで、国内の多くのギター関係者はもとより
スペインからホセ・マヌエル・カーノ氏、
イタリアからステファノ・グロンドーナ氏も招かれました。

今回の審査対象ギターは36台、
また9人のプロ製作家のギターも展示/演奏されました。

~ 会場 ~
詳細はギター文化館のHPを
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~ 式典より ~
小原聖子先生のごあいさつ
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文化館にはマヌエル・カーノ氏からおくられた多くの歴史的名器が所蔵されています。
写真はご子息のホセ・マヌエル・カーノ氏 挨拶代わりのフラメンコの名演でした。
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そして、ステファノ・グロンドーナさんのトーレス晩年作のギターによるコンサート
この場にふさわしいスペインものが中心でした 
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~ 記念パーティより ~
製作家の松村雅亘さんのごあいさつ
この他にも多くの方のスピーチがありました
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若手演奏家のスリーショット
左から谷川英勢、井上仁一郎、藤村良の各氏
このほかに松澤結子さんも加わって、プロ製作家のギターを演奏されました
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夜の部は連日のパーティでした
会場は国民宿舎「つくばね」
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~ コンクールより ちょっと珍しいギター ~
出展ギターの演奏は、写真の大島直さんの他、角圭司さん、谷島崇徳さんでした。
写真は 古川 工 さんの作品。鉄弦を張っても面白そうです。
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これは、村田浩さんの桐とケヤキのギター 塗装は漆です。
6弦の弦楽器として私は魅力的に感じました。
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本選出場者の掲示
7年前を思い出します。
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本選の演奏者は掛布雅弥さん
曲は、フレスコバルディのアリアと変奏、
ヴィラ・ロボスのマズルカ・ショーロ、
アランフェスの第2楽章のカデンツァの部分、
タンスマンのバルカローレでした。
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~ プロ製作家ギターでのコンサート ~
出展者は演奏順に、寺町誠、上水清、丸山利仁、松村雅亘
井内耕二、今井勇一、桜井正毅、高野行進、佐藤忠夫 の9氏
写真は 丸山利仁のギターを弾く松澤結子さん 曲は朱色の塔でした。
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~ 表彰式 ~
入賞された皆さんと審査員の方々
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▼結果
金賞 矢木聡明
銀賞 福手栄二
銅賞 松井宏夫
入賞 グレゴリオ・チョウ(韓国)、戸谷徹、田公雅比古、大図昭
奨励賞 松野孝志

観客賞 福手栄二、松井宏夫
ステファノ・グロンドーナ賞 松谷壽信、福手栄二、グレゴリオ・チョウ

皆さん、おめでとうございました。

▼金賞の矢木聡明さん
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▼ステファノ・グロンドーナ賞に輝いた3名の方
北口功さんの通訳が、また素晴らかったです。
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全員集合写真  私だけこのカメラを向いています 
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グロンドーナさんのコンサート以外にもこれだけの演奏がありました。
(クリックで拡大)
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~ その他スナップ ~
松澤結子さんと
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グロンドーナさんと
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井内耕二さん、今井勇一さんと
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グロンドーナさん、禰寝孝次郎さんと
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グレゴリオ・チョウさんご夫妻とギタリストの堀内輝夫さん
チョウさんには毎年韓国テジョンで大変お世話になっています。
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私のギターで練習中の松澤さん
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宿の国民宿舎つくばね からの風景 向こうは太平洋
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会場へは松谷さん、福手さんといっしょに車で行きました。往復で1400Kmもありましたが、車内の会話もさることながら道中の景色も美しくて、さほど疲れは感じませんでした。特に帰りは、お二人とも素晴らしい結果だったので、気分の悪かろうはずがありません。

前回2005年のコンクールに参加したことや運よく銀賞を戴いた感覚などが鮮やかに思い起こされます。皆さまもさぞや良い経験をされたことと思います。ギターに対する思いを共有するみなさんとの交流はほんとうに楽しかったです。

最後になりましたが、こんなに大規模なイベントを首尾よくやりとげられた皆々様に心から敬意を表します。手作りの昼食も美味しかったです。
ありがとうございました。


2012/11/21

いよいよ製作コンクールです

第3回の「アマチュアギター製作コンテスト」が茨城県のギター文化館で開催されます。
今年は、来日中のステファノ・グロンドーナさんも来館されてコンサートも行われます。

主はアマチュア製作家のコンペですが、有名どころのプロ作家さんたちも出展して、その楽器による演奏もあります。私も恥ずかしながらその一員として参加いたします。思えば、2005年の第2回のコンクールでたまたま賞を頂いたのが、本格的にギターを作っていくきっかけになりました。

ギター文化館
 http://www.guitar-bunkakan.com/seisaku/index.html

今回のコンクール参加者
 http://guitarbunkakanblog.blog81.fc2.com/blog-entry-2034.html

2005年の時のレポート
 http://www.geocities.jp/tn_maru/craftm_yasato2005.html



2012/11/16

小春の談山神社

朝のニュースを見て、今日しかないと思って談山神社へいってきました。中大兄皇子らが大化の改新(乙巳の変)の実行プランを談合した山という逸話からこの名があります。家からは明日香村の石舞台を通って車で15分ぐらい。
(写真はクリックで原寸まで拡大します)

▼やはりこの十三重の塔がシンボルですね
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▼本殿
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▼上の本殿はここからの大ズームです  左:お友だち 右;家内  
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▼七本指の楓と思ったら八本のもありました
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▼拔戸社のドウダンツツジ
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▼入口付近の大杉
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12月9日まで紅葉祭りをやっています
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2012/11/15

ギラギラの補修

今年7月に完成したギターですが、9月ごろから裏横板(ハカランダ)の導管がギラギラとかなり目立つようになってきて、気になっていました。
エポキシ(Z-poxy)でしっかりと目止めしたのですが、やはりエポキシとは云え溶剤が飛ぶと痩せることが証明された感じです。

このギター、来週のギター文化館での製作コンテストに持って行きます。そこでは名だたる製作家の目に触れることになるので、「ギラギラも味のうちや」と、うそぶいてもおられません。

ギラギラの正体は、導管の凹みもありますが、その周囲(土手)の相対的な盛り上がりによるものがむしろ大きいと考えています。そこで、軽く水研ぎ(#1800と#2400)をしてセラックのフレンチポリッシュを1セッション行いました。

▼結果、完璧とはいいませんが大部分は目立たなくなりました。
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2012/11/12

ひょうたん島ギターフェスティバルに参加

先週の金・土・日と、とくしま国民文化祭の中で開催された「ひようたん島ギターフェスティバル」に参加・出品しました。
ひょうたん島とは、会場の北島町が旧吉野川などに「ひょうたん型」に囲まれているためだそうです。ひょうたん=ギターともいえますね。
主催は徳島ギター協会さんなどです。

▼13名の製作家、25点の出展でした
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▼バンブー(竹)ギターで有名な中山修さんはギター4台と竹製ヴァイオリンやチェロも出品
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▼丹波篠山の田中清人さんのブース
 平均律での違和感を緩和する鈴木音律でフレッティングされた19世紀ギター「ラプレヴォット」、さすがに極めて美しい響きでした。細工は難しそうですが、これは是非とも真似をしてみたいと思いました。詳細はこちら
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▼こちらは長野県の石井栄さん製作のバロックギターのフルコピー 見事としか云いようがありません。
調弦されているのはこのコンクールの審査委員長の つのだたかし さんです。つのださんはこのギターでの演奏のほか、リュートの名演も聴かせてくださいました。話術も超一流で夜の部もたいへん楽しかったです。
 そして、右に見えるのは大御所、松村雅亘さんの”グロンドーナモデル”です。
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▼私は後ろの3台を出させていただきました
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▼徳島新聞の記事 たまたま自分も写ってました
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▼コンクールの審査員でもある益田正洋さんが全ての製作家のギターを演奏されるという、我々にとっては嬉しい企画がありました。益田さんは日曜日にはホールでのコンサートで素晴らしいスペイン音楽を聴かせてくださいました。
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▼その様子は、ユーストリーム(Ustream)で実時間で配信されました。
  試奏のあと、こうして司会の清水幸二さんにインタビューを受けます。
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▼弟さんの益田展行さんもコンクールの審査員をされました。
  手にされているのは、トーレスタイプ・トルナボス付き。
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▼大阪の北口功さんも審査員です。
 会場内の多くの展示ギターを試奏され、製作者に貴重なコメントを話されてました。ちなみに当方の2台のギターでのご感想は・・・予想どおりでした。
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皆さんや皆さんの作品と触れ合うことが出来て、忘れかけていた大切な何かを思い出したようです。たいへん有意義なイベントに参加させていただき、主催者の皆さまスタッフの方々に御礼申し上げます。どうもありがとうございました。そして、おつかれさまでした。


なお、同時開催されたギターコンクールの結果は↓
http://hyohtanjima.com/index.php?FrontPage






2012/11/04

1950中出阪蔵オーバーホール

弦を張ってみてわかりましたが、これはかなりの名器です。62年という年月も手伝っていると思いますが。

・全面再塗装はセラックニス(シードラック)のタンポ塗りでおこなっています。
元々はセラックではなかったので全てはぎとりました。この作業で全体の7割は費やしています。

・指板とフレットを掃除してワイヤーウールをかけて、ここだけはオイル引きしました。

・バインディングとパーフリングの脱落が2ケ所あったので、似たような材を埋め込みました。

・糸巻きは錆び取りをしてコンパウンドで磨くときれいになりました。ちなみに3軸分離タイプの糸巻きです。

・塗り始めたばかりですが、ふとブリッジの接着が大丈夫か気になって恐る恐る弦を張ってみました。結果は大丈夫でした。よかった。

このギターの力木は扇型に3本だけですが、サドルのところに全幅に横バーがあります。
62年の間に表板や裏板のあちこちにヒビが入って、もれなく裏からパッチで補修してありますが、これがきちんとされていて非常に気持ちがいいです。

▼フロロカーボン弦を張ってみました。
パワフルかつ上品な響きです。バランスがものすごくいいので気持ちがいいです。
あのトーレスのレオナを思い出します。(弾いたことないですけど)
ただ、ナット部の弦幅が狭くて、サドル部の弦幅が広いので少し違和感はありました。
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▼裏横は和材と思われる楓です。塗装が進むにつて「杢」がはっきりしてきました。
ネック材は山桜か真樺と思われます。
バインディング(朴の木?)がサイド板と同系色だったので着色しました。
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▼1950と、薄いですがSakozo Nakade というのが読みとれます。
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依頼者さまへ、月末までにはまちがいなくお渡しできます。お楽しみに。
ご依頼ありがとうございました。











2012/11/01

カーボンを貼った!

製作教室より~

カーボンを力木の上に貼った。一般的には、
 部材強度アップ -> 板や力木を薄く(細く)できる -> より振動する方向
 音の伝達速度が木より速い -> 音の立ち上がりアップが期待できる
とされるが、何某かのデメリットもあろう(よくわからない)。
今回は、クロスバーの上にだけ貼るという、いたってささやかな試みだ。

割り箸より細い力木がおそろしく丈夫で高弾性の棒に生まれ変わるのは、なんとも魅力的だ。しかも軽い。
これを多用したギターについては、自分も含めてあまり好まない向きもあるようだ。要は適材適所、オプティマイズの余地はまだまだある。

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