2009/07/30

ギター裏板の役目?

SETJ_BBRC.JPG ちょっと節操がないなと思いながらも、
 今回のギターはいろいろやっている。
 表板の力木増設、横板には洗濯板、そして今回は裏板の・・・・・

 そもそもギターの裏板の役目ってなんだろう?
 裏板がなければ箱にならない。かといってメッシュとか
 穴だらけではおそらく音が前にでないだろう。
 
 そう。音を前に出す。というのがひとつの役目かな。
ギターの場合、楽器の後ろにいるのは奏者だけ。
 
そのためには裏板自体は表面板が作った振動をしっかりと受け止めて「効率よく反射」させなければならない。
同じように振動していたのではエネルギーのロスと云えやしまいか。
 
そこで、写真のごとき縦方向のバーを付けてみたというわけ。
つまり、「剛性」アップ。
ある楽器店で見たバレンシアのギター工房「R」の方式を拝借した。
そのカタログにも「遠達性が増す」とある。

この縦バーはヒール側とボトム側で数cm裏板と接着しているがそれ以外は裏板から浮かせている。
3本の横バーとは「あい欠き」でクロスしている。

インドローズ特有のカーン・コーンというタップ音がこのバーを付けた後は、カン・コンになった。周波数のスペクトルはあまり変わらなかった。
ちなみに表板との共鳴周波数比較では、幸いずれていたので調整なし。(これが同じ時は、裏板がダッシュポットになってせっかくの振動を殺してしまう)

さあ、これでしっかりとサウンドホールめがけて音を反射させてくれるだろうか。

「コンサート用のギター」」とはこういうコンセプトなんだろう、きっと。

これが成功したとして、割りを食うのは奏者。音が聞こえにくくなる方向なんだが。

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トーレスは裏板と横板が紙でできたギターを作って 「ほら、これでもよう鳴るやろ」 とみんなをびっくりさせた。
ギターは表面板がすべて、と言いたかったのだろう。
ギターの周辺(後ろも含めて)ではかなり鳴っただろうけど、10m前で聞くと? あくまで小生の邪推。
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2009/07/27

華岡青洲の気分

SETJ_SRB.jpg 例の洗濯板(音の乱反射プレート)、当初は鼻息が荒かったが、
 
 いざ接着する段になると躊躇と葛藤でしばし悩んだ。

 かなり手ごたえのある表面板なので里ごころがついたのもある。

 しかし、「逃げたらあかん」というエラい人の言葉をなぜか思い出して、
 ついに踏み切った。

 もしダメなときは、「そういう知見を得た」ということにしよう(いつもこれや)。

 ちなみにこの板、桐製で重さは 12g だった。表側はセラックを塗った。

 写真は、まさに接着しているところ(ギターの高音側横板の内側)。

 拡大してみてください。
2009/07/25

手作りギターの手作りたるゆえん

といつも自分に言い聞かせながら、延々と繰り返す作業がペオネスで表面板と横板をつなぐ工程です。
ペオネスとは断面がだいたい三角の小さな木片です(写真参照)。

この木片を大量に切り出すところからはじまって、まず写真のように並べていきます。
なお、ペオネスが大小あるのはマエストロ・ロマニリョス直伝の方法で、今回採用しました。

この作業がつらいのは、表面板の写真の部分は少しふくらませてあるので横板と直角ではなくて多少鈍角になっているからです。
ペオネスのほうはきっちり直角に作ってあるので、このまま接着してもガタガタで密着しません。

私はこれを密着させることこそ音に対して極めて重要と考えているので、それこそ妥協できないのです。

小さな木片をひとつずつヤスリで調整してピチっとフィットさせます。忍耐です。CDをかけながら「これを聞き終わる頃には半分ぐらいいってるやろ」とか思いながら。

全部並べ終わったら、次は接着です。もちろん並びを崩したら一巻の終わりです。
接着にはクランプがつきものですが、こればっかりはクランプできません。なので糊をつけては棒の先でじっと押さえます。これまた忍耐。

こんなこと量産モデルでやっていたらこの工程だけで全体の半分以上のコストがかかるでしょうね。


SETJ_pns.jpg
2009/07/24

Totanさん来房

昨日、京都は山科からはるばる訪ねてくれました。mixiというサイトでの友人です。ハンドルネームはTotanさん(本名はNさん)。
ギター界、特に関西では著名なギタリストで、また作曲活動もされています。

氏が日記で紹介されたギター製作に関する著書を、「読んでみたい」とコメントしたら、恐縮なことにわざわざ届けにきてくださったという次第です。
さらにはご自身のお気に入りのギター2本も車に積んでこられて、これらを拝見し試奏させてもらうこともできました。
弦長は640mmと630mmで、いずれもトーレスのプランティージャがベースになっていました。どちらも日本人作家によるものです。

弦長の短いギターは弾きやすいかわりに物理法則では音が貧弱になる方向にありますが、その2つのギターはそれを感じさせませんし、むしろエレガントさでは優るものがありました。よく拝見すると随所に工夫のあとがうかがえました。これはたいへん参考になりました。自分も近い将来630mmに挑戦したいと思います。できれば総和材で。

Nさんとお話をするうちに、磁石のS極とN極みたいにどんどん引き寄せられていきます。そのことが素直に心地よく感じました。
ギターやギターの弾き方に関して、確固たるご自分の考えをお持ちでした。そのほんの一部しか伺う時間がなかったけど楽しいひと時でした。
ひょっとすると失礼な言い方かもしれませんが、自分が若いころの意味合いでの 「カリスマ性」 を氏に感じました。

ギター製作の本(1957年発刊 英語)は、目下解読中です。そのうち紹介します。


最後にTotanさん(N氏)のHPを紹介します。
http://homepage3.nifty.com/jtps/index.htm
2009/07/23

ギターに洗濯板を仕込む

SETJ_Srp.JPG前回の力木配置に続いて、今回は洗濯板の登場です。

意味ありげに凹凸を付けた2枚の板。実はこれをギター内側に設置します。2枚あるのは高音側と低音側用です。凹凸パターンも違います。

作用目的は、ギター内部の音波を乱反射させること。

これによって深みのある音を、という目論見なんですが。

日本の筝作りがヒントになりました。さてどうなりますことやら。
2009/07/22

日食の撮影

craftm_nsk.jpg








ほどよく雲がフィルターになった瞬間にデジカメで撮りました。

(最大に絞って最速のシャッター速度にしました。ズーム使用)

このあとすぐに厚い雲の中に入って、もう見ることはできませんでした。

いまTVで硫黄島での中継を見ました。

コロナもプロミネンスもはっきりくっきり、すばらしい映像データでした。

古代の人々はどんな反応だったのかと思いが馳せました。


2009/07/19

真夏にギターを作る(その3)

SETJ_SlntB.jpgついに実行してしまった。
ファンブレイシングの間を斜めにクロスするバーの設置を。

before と after でタップ音を録音しておいたので分析してみたが、共鳴周波数が高いほうにシフトしたのは当然として、そのほかはあまり変化ないようである。耳の感触では違いがあったのだが。

共鳴点がジャスト220Hz(”ラ”の音)だったので、そのバーをもう少し削らねば。
2009/07/18

きょうでお別れ

ハープリュートが今日旅立った。
日記を読み返えすと4月22日がスタートだった。
データといえば依頼者が撮ってくれた数枚の携帯の写真だけ。よく最後までこぎつけたものだとおもう。


今日が最後なのでちょっと自分で録音してみた。その姿をカミさんがビデオに撮ってくれた。
出来栄えはイマイチ、いやハシボウ(箸にも棒にも・・・)だが、自分にとっては佳い記録となろう。

往復で8時間もかけて引き取りにきてくれたK君、すでにあの楽器を構えた姿がカッコいい。
ギターでは真似のできないパフォーマンス。彼のこれからの展開を大いに期待したい。

2台目はたやすいか?
No、体力と精神力とモチベーションが全部 high でなければ不可能!
2009/07/17

真夏にギターを作る(その2)

湿り空気線図をダウンロードしていろいろチェックしたり計算したりしてみると、

①室温が30℃でもRh(相対湿度)が50%程度なら20℃60%の環境より木が収縮する方向にあること。
②これすなわちギターの組み立て可を意味する。ただし、何日もずっとその環境に材料をさらしての話。のべつエアコンONならいいが、そうでないときは板を防湿袋に入れるなどしておかねばならないこと。

がわかった。というか自分なりに納得した。

となると、今の時期ニカワは使いやすいし、50%なら人間も快適だ。なかなか夏の楽器作りもいいもんである。電気は消費するが。


きょう、表面板の力木を三角に削った。響棒はまだ付いていない。この状態でスペクトルをとると、ちょうどG#とAの間とDとD#付近にピークがあった。倍音も結構リッチな感じ。

「これでOK」 でおそらく大丈夫なんだけど、今回はコンセプトモデルなので・・・・もう1本少し斜めにクロスするバーを・・・ある位置に追加しようと思う。

下手をするとダイナシになるかもしれない。でもそれはそれで知見にはなる。

まあ自分用の楽器なので実験実験。ちなみに今回のギター、まだまだ実験事項がある。





2009/07/15

ロボット

ニュースでみた。

まったく新しいタイプの産業用ロボットだ。

それは1台で熟練工と同じ複雑な組み立て作業をやってのける。

しかも学習機能が効いて、作業時間が人間なみになったという。

開発したのは△電気と◇大学。

20年前だったら、その技術を称賛していたと思う。

そのころは自分も省力化・省人化の仕事に胸を張っていたから。


でも今は正反対。


開発の動機は高齢化と労働力不足を解決するためという。

自己満足で済めばまだかわいいが、これが世界に何億台も稼働した日には・・・・。

みんなのプラスに作用するのだろうか。

ロボットでもできないことができる人間 ・・・ だけが求められる。

それって、ヒトが進化するためのトリガーの一種? それとも試練?

その試練を人間が人間に課すのはそろそろやめにして別の方向に目を向けませんか。





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