2009/06/29

HarpLute製作(完成-1)

結局、製作期間7週間。これにケースが1週間でトータル2ケ月。「よう、こんな楽器作ったなぁ・・。」というのが偽らざる感想。


いよいよ弦を張る時が来た。新作のギターよりもドキドキ。いつもあんまり興味を示さないカミさんまで「どんな音がするのかしら」。

弦が14本、計算上100Kg近いテンションがブリッジにかかるので、ちょっと恐ろしさも混じる。

ハープリュートという名前からして、フレットのある6本はリュート調弦かもしれないがこれでは弾けないのでギターのそれにした。

あとの8本をどうするか? 弦を適当に選択すれば如何様にでもできるが、とりあえず「共鳴弦」というコンセプトでC-Cのダイアトニックスケールとした。

最低音のCはギター6弦のEの3度下ということになる。


能書きはこれくらいにして、試奏感はというと、

ざっくりいうと、現代のギターでもなければリュートでもないし、19世紀ギターでもない音。高音部は少し鼻にかかって古風だが明るい感じで、低音部はリュートに比べれば断然勇ましい。どことなくいつもの自分のギターの音色キャラが見え隠れするのが面白いというか、悪いことはできないというか。

ちなみにギター部の弦長は620mm、ハープ部は700~800mm。すべてギター用のナイロン弦を張っている。

週末からの「彩アート 文月展」で公開するので、みなさんの感想が楽しみだ。(ギターを弾ける方には試奏可能)


  (完成写真は展示会が終わってからアップします)

2009/06/24

菩提樹の花

先週末は、あるサークルのメンバーと茨城・栃木へ。目的は親睦と観光と茨城在住のメンバー宅訪問です。

3泊のうち一泊は鬼怒川温泉でしたが、あとはなんと夜行バス。でも寝られないこともなかった・・・ように思います。

現地では10人乗りのワンボックスレンタカーです。これがわれわれの数とぴったり。メンバーの中にプロの運転手がいるのでずっとお世話になりました。



偕楽園から始まって笠間神社、鬼怒川、日光めぐり、そして焼き物の益子、最後はつくばセンターで打ち上げ。

この季節はちょっと偕楽園や日光には不向きだったかもしれません。日光にはものすごい杉の木が何本もありましたが、いまは花がなくて。

世界遺産の東照宮。建物も職人さんたちの作品も本当に立派でしたが、やっぱり好きにはなれませんでした。

あの極彩色と彫刻の多さに閉口しました。いったい何が主役なのでしょう。

高級牛とキャビアとマツタケとついでに金粉を入れたお好み焼きみたいな。

そういう意味で、非常に勉強にはなりました。


↓ 菩提樹の花 ( 偕楽園 )
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↓ 千波湖のカルガモ ( 偕楽園前 )
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↓ オニグルミの実 ( 笠間神社 )
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↓ 梅雨の逍遥園 ( 日光 )
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2009/06/19

HarpLute製作(その9)

今の時期、晴れれば塗装が早い。

アルコール溶媒のセラックはその典型で、タンポ摺り法ということも手伝ってほとんどインターバルなしで作業が続けられる。

ということで2日で一応完了。あとはころ合いをみて、磨きを兼ねてアルコールで表面のオリーブオイルを拭き取るだけだ。



次の工程はブリッジ(駒)の接着。

自分は塗装してから駒を付ける。先に付けてからタンポ塗装すると必ず駒の周囲が塗りムラになる。というか自分にはうまく塗れない。色付きセラックのときはなおさらだ。

なのできれいに仕上がるかわりに、塗装前に試奏してみて場合によっては表面板を薄くするといったようなことはできない。

「なんともいい雰囲気の塗りムラ」でタンポが摺れるようにならねばとは思っている。


さてその次は、ケース作り。

イメージとしては19世紀のギターに見られる木のケース。
たとえば下の写真。これはロマニリョスの工房で拝見したトーレスのギターとそのケース。
上下の蝶番の回転軸が一直線になるよう、うまく合わせるのがポイントだと、今わかった。
craftm_jrs20.jpg
2009/06/17

HarpLute製作(その8)

今日から塗装です。木に色をつけるのは好きではないので原色が基本です。
言うまでもありませんが、塗装は出来栄えと見栄えを大きく左右します。
ヘタをするとダイナシになる場合もあります。

塗る動作よりも、塗る前の下地処理のほうに十分気を遣っておくべきだと思っています。「塗るときにごまかそう」は100%逆の結果になります。

塗料はセラックニスで、ギターにならってサンダラックとマスティックを添加しています。セラック自体も精製度の違うものをいくつか塗り分けます。

今回、目止めが必要なところは、透明アクリルビーズを埋めました。

↓ 1回めの塗装を終えたところ
  きらきらしているヘッドプレートは「鹿子の木」です 楠の仲間ですね
HpLt_Kgnt.jpg




↓ 裏板です まだ「捨て塗り」の段階です
  依頼者様デザインのイニシャルを入れました エポキシ+木粉を「象嵌」しています
  まんなかの白丸は 「貝」 です 
    (頼まれれば、めったにNoとはいえず、たいがい引き受けてしまいます)
HpLt_intl.jpg






2009/06/13

HarpLute製作(その7)

今回はバインディングの象嵌からフレット打ちまでです

まず表側にバインディングを入れました  材はパオローサと白/黒のツキ板です
こちらのサイドはギターと同じ要領でOKでした
HpLt_Bnd_Sb.jpg



そして裏側にも入れます
こちらは、大変でした 冗談抜きで奥歯が2本痛くなりました
弱いところに出てくるというのは当たっています

材料をまず弓型に切り取って、それを熱で曲げてはめこみます
茶色はパオローサ、白いのはハードメープルです
HpLt_Bnd_bk.jpg



歯科で薬を塗ってもらったら歯痛はおさまりました

次は指板です この写真ではすでに接着してあります
フレット数は現在のギターより1音ぶん少ないですが、当時のオリジナルよりはかなり多いです
黒檀表面はこの段階でオイルフィニッシュしています
HpLt_Fb.jpg



フレットワイヤーを打ちこんだところです
両端の余剰はまだカットしていません
手前に見えるミニルーターに砥石車を付けてフレットワイヤーのイボイボを削ります
HpLt_Frt.jpg


いよいよ大詰めになってきました








2009/06/08

展示会のお知らせ

昨年に引き続いて 「 彩(いろどり)アート 文月展 」 を開催します

とき 7月4日、5日、6日

ところ 京阪奈記念公園 水景園内 ギャラリー 月の庭

★弊工房からは クラシックギター、ハープリュートなど 出展します

詳細は下のサムネイルをクリックしてください

Irodori_July2.jpg
Irodori_July3.jpg Irodori_July1.jpg




2009/06/06

HarpLute製作(その6)

今回は、裏板の接着からバインディングの溝彫りまでいっきにアップします。


完成した裏板と本体
5枚のリブの接ぎ目は補強してあります  ラベルはこの段階で貼っておきました
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まさに接着しているところです
微妙な立体なのでギターみたいに紐掛けができず、このようなかっこうになりました
角度がついているところは、クランプの当て木も三角です
HpLt_Bxgl.jpg




裏側にバインディング(鉢巻き)用の段欠き加工をしているところ
ギターのようにトリマーを使えないか思案しましたが、いい案が思う浮かばず、
結局、ノミで彫りました
上に乗っかっているのは、ケガキをするための道具です
HpLt_Btrm_b.jpg




このあと、段欠きした部分をサンディングして接着面をなめらかにします
ちなみに、ここにはめ込むバンディングは3次元の形状になります
Hplt_Btrm_a.jpg







2009/06/04

チタンサドル使用レポート

知る人ぞ知るチタン製のサドル。
いちど試してみたかったところ、なんと製作販売元(工房ニッタ)のN氏がお見えになって「是非モニターを」とおっしゃるのでお言葉に甘えてみた。

機械屋のはしくれとしてチタン加工の難儀さはよく承知している。ワイヤーカットといって金属を切るエンドレスの糸鋸でもなければ思うように切れないし、そのあとも熟達した手仕上げのスキルがなければとてもじゃないがギターのサドルには使えないだろう。

2種類ある。

ひとつはチタン無垢のサドル。下の写真でもわかるように接地側はローマ橋のようなU字の切り抜きがある。これによって性能アップしたとのこと。
弦が通過するところにV字溝が切られている。このためブリッジに開いている弦穴のピッチと多少ずれても大丈夫。また弦の振動をしっかりと伝える役目もあるという。

もうひとつは、「サドルアンダー」という名の牛骨サドルの下に敷く薄板。幅は溝に合わせて各種用意されている。今回のは2.3mm。厚さは0.4mmなので、なにもしなければ12フレットでの弦高が0.2mm上がることになる。

以下あくまで写真のギターでの結果です。使用弦はいずれもオーガスチンのリーガル・ブルーセット

▽無垢サドル :
   中~高ポジションでのサスティーンが伸びた
   4弦だけすごくメタリックな調子になった
   他の弦はパワーのあるカーボン弦を張ったような感じ、明るく明瞭な感じ
   ウルフトーンが目立たなくなった
   音がはっきり全体に音量が増した

▽サドルアンダー :
   全体にサスティーンが伸びた
   メタリック感は皆無 むしろ甘さが出てきたぐらい
   立ち上がりがよくなった
   音の華やかさが増した 倍音リッチ

まだN数が少ないので断言できないが、面白い変化を楽しめるのは確実のようである。
もともとよく鳴るギターのほうが大きく変化すると思われる。(鳴らないギターは・・・・?)
他のギターでも試したい。

↓ チタン製無垢サドル (ギターは大台スプルース/メープル)
SE03_w_Tsdl.jpg



↓ サドルアンダー
   牛骨の下に目を凝らすと見えます (ギターはドイツ松/ハカランダ)
CRM_w_Tsdl.jpg

蛇足) 
 チタン製というだけで敬遠する向きもあると聞くが、
 よりよいものはよりよい のである










2009/06/03

クルマの納まり

長いこと足立ナンバーだったが、車検のついでにナンバー変更した。

東京転勤のときに購入してもう十数年。ときどきアラームを発するが、普段の走行では関係ないのでそのままにしている。

ただエアコンの風量がえらく乏しいのでこれはこの機会に修理した。ファンへの電流を制御するパーツがいかれたらしい。

車検が済んで奈良ナンバーになって帰ってきた。

それを見て思ったことは、今までやっぱりなんとなくどことなく違和感を感じていたんだということ。

みんなの感想 :
 「やっぱりこっちのほうが納まりがイイネ」 これは同感。なぜか、「よかったね」というのも。

プレートの字が変わっただけなのに、これほどインパクトがあるとは。

ちょっとあやまりたい気持ち。
2009/06/01

HarpLute製作(その5)

ストラップ用エンドピンの製作

数百円で黒檀製の市販品も手に入るが、ここはやはり自作する。

あまり見かけない材を選ぶ。パオローサというローズウッドの仲間。


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このミニ旋盤(KS-200)はもう生産されていない由。駆動ベルトがすぐに劣化するので買い込んだ。
使っている刃物は五厘(1.5mm)のノミ。

HpLt_ep01.jpg
旋盤作業ではサンディングが楽だ。相手が回っているので押し当てるだけでよい。
★手順
 サンディング#240 → #400 → 000番のワイヤーウール → コンパウンド
そのあと、オスモオイルを摺り込む。




HPLt_ep1.jpg
パオローサの角材と、続いて作った黒檀の弦掛けピン