2009/02/28

カエデにSuperChip

伝統の維持 vs イノベーション というバトル。古典楽器においてはちとややこしい。

バイオリン族。薩摩琵琶に三味線に馬頭琴も。
これらは形を変えるのはもってのほかで、およその材料も決まっているし、何かを足したり引いたりすれば誰ももうその名前で呼ばないと聞く。たとえ音量が3倍になっても。
作曲家の芸術(楽曲)やその時代ないしは歴史をありていに再生(再現)する道具という役割があるからだろう。

さて、われらのクラシックギターはどうか。まだ発展途上の楽器なので、みなさんいろいろご意見をお持ちだろう。

ぼくは優柔不断なAB型だ。あくまでトラディショナルな形態や音に病的にあこがれる一方、自分がいいと思えばボディのひょうたん形が逆さまでも団子三兄弟でも世に問うてみたいとも思う。


<写真> 
ブリッジの弦端に象牙チップを付けた
今回は、大台ケ原トウヒ/カエデのギター
結果 : 激激変!!  控えめで上品なのがトルコの軍楽隊みたいに 特に低音
カエデのギターw/SuperChip
2009/02/26

初音と恋猫

きょうの散歩

 初音が3つほど聞こえた
  『ホー ホケキョ』と流暢にはいかない 『・・ッ・ッ・・ケキョ・ケキョ』
 
 陽が日増しに高い
  沈むところも金剛山から葛城山に移っている

 コンビニが新装開店していた
  我が家より最短の店
  知人に会う 『またテレビに出てたネ』

 ネコのカップル(写真)
  自力で生きてきた
  左のはウチにちょくちょく来る
  バックはエンドウマメとソラマメ? 順調ですな

例年だとキンカンの木にメジロのペアーがやってくるのだが、今年はいっこうに来ない。
でっかいヒヨドリが四六時中にらみをきかしているから。



ねこ

2009/02/25

今できることを、しない

久々に自分のHPを見たら、あらら~アクセスカウントが10万をすぎてしまっている。
ジャスト10万の人に〇〇〇〇〇〇〇でもプレゼントする予定だったのに。
その予告すら忘れているようじゃダメだな。

      『 今できることを先に延ばすな! 

という恩師の教えを座右の銘みたいに励行してきたつもりだが、今は違う。おろそかにする楽しさと勇気のほうが尊いと思ふ。
玉石100個を全部時間内に磨くのはもうやんぴ。まず石は捨てて玉を厳選しなけりゃ。1個あればいい。いや1個がいい。

その1個を納得いくまで磨き上げる。

これをギター作りにあてはめると、何台も並行製作せず作りだめパーツも使わない、目前の1台にのみ貴重な時間をすべて投入、となる。

夢のような、贅沢な作り方だなあ。
2009/02/24

ギターも皮靴も親方に従う

楽しみなことがまたひとつ。

自分のギターがステージに上がることになった。
しかも2台一挙に、デュオだから。
ギターアンサンブルフェスティバル in OSAKA (3/22)
聴きに(応援に?)行かねば。

そのうちの1台はシグエンサで作ってきた楽器だ。
きょう久し振りに対面したら、やはり変わっていた。
もともと明るく軽快に立ち上がる楽器だったが、それに 「ふくよかさ」 ないしは 「あたたかみ」 みたいなものが加わっていて ・・・ というより寧ろそちらのほうが支配的と思えた。

ひょっとするとギターも親方なりの変わり方をするのかしらん。
新品の皮靴が履き込まれるにつれて変形するみたいに。サックスのキータッチも他人のやつはどうも違和感があるのと似ている。


該ギターの内部 : J.L.Romanillos の筆跡です
ロマニーリョスのサイン

2009/02/22

茨木のギターショップ訪問

きょう、仲間といっしょに大阪茨木市の「六弦堂」さんに行ってきた。
すでにホームページ上で詳細に紹介されているが、新規開店はなんと明日らしい。

邦人製作家作のusedギターコレクションがこの店の特徴であり店主のコンセプト。

いくつか試奏させてもらった。
どの楽器も、他にはない何かを訴えるところがあって非常に面白かった。

中には単に面白いだけでは到底すまされない「逸品」もあった。それについて僕がいかに形容しても全く軽々しいだけ、と形容しておく。
どの楽器もほんとうによく鳴るので、ふと自分の楽器をこの場(土俵)で弾いてみたら? ・・・ などと思ったりした。

壁からぶら下げられた沢山のギターを眺めながら背後にはっきり感じたものは、これで飯を食らわんとするプロフェッショナルたちの「眉上げて立つ」姿だった。
2009/02/20

柿渋塗ってオイルフィニッシュ

『愚にもつかぬ、しょーもないことをイジイジウジウジと 「拘って(こだわって)」 いるから先に進まないんだよ。ったく。・・・・』。
という用例以外に「こだわる」という単語を使うのにはどうも賛成できない。
一人称で使うのは自由だが、他人が「おたくの家具は材料にこだわってますねえ」と云うと、おだてたつもりだとしても僕には失礼としか思えない。


さて、昨年から延々と作り続けてきた八脚セットのイスもようやく塗装段階にはいった。
いつものように「自然塗料」にこだわった。 (この使い方がギモンなのだ)

柿渋、ベンガラ、蜜蝋、亜麻仁油、その他植物油、それと水。
柿渋にベンガラを溶いたもので木地着色。そのあとOSMOオイルで上塗り。
フォルムアルデヒドもトルエンもメタノールも鉛も水銀も無縁。
そのかわり子供の頃の田んぼや畑で嗅いだ「田舎の香水」みたいな匂い(慣れるとなかなか芳しい)が部屋中に充満する。

それにしてもイス八脚ぶんもの塗装というのは、今までの経験の中でもダントツの持久力が要る。
いくつあろうと一脚だけのときと同じ方法と気分で塗る術しか自分には無い。
1つで3日かかれば8つなら24日ということ。
悲しいけどそれでじゅうぶんと思う。モノヅクリってこんなものとも。


 ↓ イスのアームレスト(肘掛け) : 今回のは着脱式
柿渋にオイルフィニッシュ
2009/02/08

ギターのリペア無事完了

ニスも乾いたのできょうは最後のゴルペ板貼りに挑んだ。フラメンコギターではないが、依頼者のたってのご希望だった。
きょう使ったゴルペ板、通常の半分以下の薄さで強度はOKというスグレモノ。プロの使用実績もある。ゴルペの話をしたら、知人の製作家が早速送ってくれた。有り難いことだ。
はじめてなので緊張したが、まあ何とか無事に作業は済んだ。やれやれ。

リペアー仕事は地味で時には憂鬱でさえあるが、終わってみると必ず得るところはある。いわば生きた教材。そして依頼者の喜ぶ顔。
とはいえ、積極的にマーケティングしてまで修理をしたくない。
今のところ、 「当工房では修理は致しません」とは言わないでおこう。
2009/02/05

材の買出しとセゴビアのラミレス

3人の製作家仲間とギター用材を仕入れに〇〇〇へ。

お目当てだったマダガスカルローズは上品なテクスチュアの柾目材をゲットできた。

そしてインディアンローズにシープレスも、さらに工房在庫が乏しかったセドロ材も補給することができた。

はじめての訪問先だったが、みなさん口ぐちに「予想以上やったネ」って。自分も同感。今後も楽しみにしよう。

店のショールーム、その名も「casa Ramirez(ラミレスの館)」にはなんとセゴビアが愛用していた杉の楽器が展示されていた。

誰かが試奏した。「おおっ、スパニッシュ!!」が第一印象。

自分が試奏した。それは、どのポジションでもストレスなく自然にしかも豊かに発音した。

春の野のような美しく上品な音。和声も本当に素晴らしい。生まれて初めて実際に聞く杉系楽器の佳き音色。

「いつまでも弾いていたい!」と思わせる。

一方、そのあと弾いた松のラミレス。こちらはぐっと色彩感があってキラキラする。「杉もいいけど、おれはやっぱりこっちかな」と思った。

びっくり仰天したのはマヌエル・ラミレスのシープレスのフラメンコギター(1900年作)だ。

信じられないほど、おっそろしく軽い!自分も軽い楽器をめざしているが、これには恐れ入った。

しかしスジガネの入った素晴らしい音がするのはさすが。