2008/05/27

F.Polishingでお悩みの貴兄に

このブログへの検索語でいつも上位にいるのが 「フレンチポリッシング」。
いわゆるセラックニスのタンポずり(タンポ塗り)のことで、手工ギターの伝統的な塗装方法だ。
今日の工房は26℃で40%と絶好の塗装条件だったので、来月の展示会用のギター2本をフレンチポリッシングで仕上げた。


さて今日は、せっかくの訪問者のためにフレンチポリッシング最終段階の鏡面化について、自分の方法を公開しましょう。

普通にニスとオイルをタンポにつけて、スリスリしていたのでは、タンポの軌跡は永遠に残ります。(正確にいうと、今回のタンポの軌跡によって前回の軌跡は消える、もしくは薄くなるが、今回の軌跡がまた残るということ)
もう塗膜厚はこれでいい、あとはタンポ跡を皆無にして鏡のごとく仕上げたいというときには、

0.きれいなウエスで表面のオイルやホコリをよくふき取っておきます 私は石油ナフサでふき取ります(but 発がん性があるので自己責任で)
1.タンポを包む綿布を新しくします。
2.スポイトでアルコールを綿布につけます ・・・ 量的には1~2滴 この量をタンポ全面に塗る感じ
3.ニスもスポイトでタンポにつけます ・・・ 量的にはアルコールより少なく (私のは2ポンドカットのニス)
4.オリーブオイルは、つまようじの先に付いたものを1~2滴

4’.塗る前に手の甲に押し付けて塗料がほとんど手に付かなければOK 
  べたっとつくようであればウエスにぎゅっと押し付けて余剰をカットしてください
  そのまま塗ると元の木阿弥です

5.タンポ綿布の織目が動かす方向と直交する向きでスリスリします やはり最初は直線運動そして円運動がいいでしょう
6.数十秒間スリスリすると徐々にタンポ跡が薄くなってくるはずです

7.1分以上のスリスリは無意味ですので、タンポを離陸させて 2.に戻ります
8.以降、アルコールの付着量は同じとして、ニスとオイルを減らしながら、最終的にはアルコールオンリーでスリスリします

9.リピートすること3回目あたりで、30秒もスリスリしているとタンポの軌跡が全くなくなると思います
  フレンチポリッシングとは磨くことであって、塗ること(コーティング)ではないというのがお分かりいただけるはずです

10.この状態で気が済むまで磨いてください(タンポ跡を消していくということ) 3分ぐらいはスリスリできます
   この結果、どんな微細なバフがけよりシャープな面質が得られることでしょう

注意)

1.あまりにも大きく、深い、タンポのスリ跡はこの方法でも消えません。、そのときは予め迷わず水研ぎか油研ぎをしてください。
2.上記9.の状態では、タンポを動かすのに結構力がいります 少しでも気を抜けばタンポが面にペタっとくっつきます
   私はわれ知らず、息を止めています
3.綿布はしっかりと、絶対にシワがよらないようしてください スリスリの最中にシワがよると厄介なキズになります
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2008/05/24

茨木ギターフェス電話予約OKに

この日記でも度々紹介している茨木市ギターフェスティバルですが、メインイベントの 『銘器コンサート』 は電話予約できるようになりました。

3日間とも行われるこのコンサートですが、まだ席に余裕があるので主催者側が配慮してくれました。先着順で、満席になり次第締め切ります。

詳細は
こちらにて。
2008/05/23

クマの爪あと

BearClaw

この欧州唐桧の表面板、全面にミミズバレが出ている。
これを業界では、Bear Claw (ベアクロウ : 熊の爪あと) と呼んでいる。

どうしてこんな模様ができるのか?
木がまだ小さい頃、熊が爪を研いだ跡と信じる人もいるが、本当だろうか?

ケヤキの玉杢や鳥目杢のカエデのように、ある種の環境変化ないしは力学的応力を受けたから、と云う人もいる。
そういえば先日、見事なバイオリン杢の出たセドロのネックのギターを見て驚いた。

この、ベアクローの表面板。音や外見について賛否両論だ。
横方向に木目が走っているということは、その方向にも振動が伝わりやすいと考えれば、有利なのかなとボクは思っているのだが。

このあと、塗装して、ブリッジを付けて ・・・ 来月の茨木市のギターフェスティバルでお披露目です。

2008/05/20

彩アート皐月展ご来場御礼

彩アート皐月展彩アート皐月展

彩アート皐月展彩アート皐月展 

「彩アート皐月展」が好評のうちに終了しました。みなさまには遠いところ、また貴重な時間を割いていただき、ありがとうございました。
おかげさまで、4日間で500名以上もの来場者に恵まれました。

Mさんの3台も含めて合計8台の出展ギター、弾き手によっていろいろな音色になることを改めて感じました。ほんとうに驚きです。
自分のような者が弾いて、しかも楽器の上から聞く音というのはむしろ特別な感じさえします。

アルハープはここでも人気がありました。おそらく百人以上の指で奏でられたことでしょう。
会場内のご協力もいただいて、ミニコンサートもやらせていただきました(上の写真)。

専門校時代のクラスメートたちの作品。立派でした。何か上質のエネルギーをもらった感じです。
クラフトMとしては、次回は家具も出したいと思いました。

「サザエの玄米いろごはん」やいろんなケーキ、おいしかったです。
そう、煎茶のお点前もいい体験でした。

出展者間の最後のミーティングでは、「またやりましょうね」「恒例化しましょうよ」という意見がちらほら。
またよろしくお願いいたします♪
2008/05/16

楽しい 楽しい !!!

楽しいという単語を2回も並べると、「楽」という字を本当に「たの」と読むんだったかと不思議な気になった。

それはともかく、「彩アート皐月展」がはじまった。今日から4日間という長丁場。出展者の半数近くは専門校時代のクラスメートでそれ以外の作家さんは全員女性ということで、出展者同士ですでに盛り上がっている。

ギター出展者は僕とMさんで合計8本が並ぶ。なかなかの眺めではある。これにアルハープが1台加わる。
創作家具では3人の作家さんの個性満点の作品。いずれも自分には考えつかないようなデザインや工夫が凝らされている。こちらも奥がが深い。


女性出展者の中に個性的なケーキや飲み物といっしょに何と「マッサージ」を出展されている方もおられて、これが木工作家には大うけ。もちろん僕もお世話になった。肩のリンパ腺液を刺激してそれを静脈に循環させて老廃物をきれいにするという方法だそうで、これがおそろしく気持ちが良い。それがまた、うら若き女性ときているので・・・オッサンやなあ。

ギャラリーは何ヘクタールもある折しも緑豊かな公園の一角にあって、水面ギリギリに滑空する水鳥たちの大きな池に面している。会期中になんとか散策したいものだ。

金曜だったので、入場者もチラホラだったが土日は天気もいいので期待できそうだ。日曜午後一番のアルハープのミニコンサートを目当てにしてくれている声も多く聞く。蛇足ながら僕のサックスも加わることになっている。


きょうは、思いもよらず元会社の上司夫妻が来場されちょっとウルウルした。すでにリタイヤされているが、重責から解き放たれた今、お元気そうでという形容では失礼千万と思えるほど、素晴らしくいいお顔をされていた。ありがとうございました。
2008/05/07

乾燥しすぎでっせぇ

この3日間ほど、気温は25度ちょっとで快適なんだが、湿度が異常に低くてえらく難儀している。昼間だと工房の中でも20%ちょっとしかない。外で測るとなんと10%台。

おかげでギターの裏板をボディに接着できない。裏板が過度に乾燥してヒップ部のドーム形状がほとんど扁平になってしまっているのだ。ごつい横棒でふくらみをつけているのに・・・すごい力だなあ。

その横棒を接着したときの湿度は22℃で50%だったので、空気中の水分量が全然違う。ハカランダが割れなかっただけラッキーと思おう。

しばらく待ってみるか。でももし戻らなかったら、横棒を貼りなおすしかないだろう。こんなことははじめてだ。

こんな日は完成品のギターもきちんとケースにしまっておかないと・・・アンダルシアみたい。
2008/05/05

ギター愛好家の皆様へ

すでにチラシもポスターも市の広報も発行された、
茨木市のクラシックギターフェスティバルのお知らせです



ギター製作家とギタリストをあわせると100名を超す大きなイベントです

68台ものギター展示とその演奏、ギター製作コーナー、講演、などなど
盛りだくさんの3日間

このうち申し込みが必要な 「プロギタリストによる銘器鑑賞コンサート」 は
すでに受付がはじまっています

詳しい内容やお申し込み方法などは 
オフィシャルサイ をご覧ください

【銘器内訳】
アントニオ・デ・ト-レス、サントス・エルナンデス、ドミンゴ・エステソ
イグナシオ・フレタ、ロベール・ブーシェ、ヘルマン・ハウザーⅢ世
ホセ・ロマニリョス、アルカンヘル・フェルナンデス

2008/05/02

アルダーのギタースタンド

G_stand

今月と来月の展示会はギタースタンド持参となっている。そこで合間をみて作ってみた。
こうして見ると、ありふれたデザインだなあ ・・・ 奇をてらうのが好きではないとはいえ。

材はアルダー。仕上げはオスモでオイルフィニッシュ。楽器が触れる所にはフェルトを貼った。折りたたみ式。
このアルダー、ソリッドタイプのエレキギターでは定番の材料。

メイプルと同じ散孔材ゆえ目止めフリー、元からすべすべしている。ナチュラルオイルとの相性も良くて、これでしっとり感も出る。
少し前までは安かったのに今では高騰してホワイトアッシュより高い。

柔らかいのでクラシックギターには使えないが、家具にはしばしば利用する。
控えめで品の良い木目は、毎日使ったり見たりする家具には目にも脳にも優しい。何よりぼくは肌触りが好きだ。