2008/03/30

ギター納品

昨夜は、市内の知り合いと組んでるバンドの懇親会。中学ブランスバンド部時代の先輩がたもおられて、えらく盛り上がった。
実は会に先立ち恩師に電話をしてみたら、何と1週間前に他界されたとのことで、みんな仰天した。一回りしかない年の差。早すぎる。懇親会は追悼の会も兼ねた。

そして今日は、昨年末から新しい試みも加えながら作ってきたギターの晴れの旅立ち。春は別れの・・・もちろん嬉しいんだけど。
ありがたいことに、関東からわざわざ工房まで引き取りに来ていただいた。

手にとって調弦しながら 「いい音ですね」 とおっしゃる顔を見て、よかったと思った。

ひとことで云うと豊かな響きが特徴の楽器だった。振動解析の成果もあったのかな。
そういえば、A=440から442Hzで調律するかぎりウルフトーンは避けられたようで、和音もきれいにバランスする。
これで6月のギターフェスに出す楽器にも期待が持てそうだ。


SE02
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2008/03/27

カエデの着色-結末

前々回の日記のつづき。

着色といっても木地には色を付けない。塗膜に色が付いているだけの塗り方をする。
そのメリットは塗りムラになりにくいこと、デメリットは同じ色あいにするためには厚く塗る必要があること。
で、ムラのリスクを避けたということ。

まず、木地に無色透明ワックス成分なしのセラックニスをタンポ塗り。1セッションで十分。これがバリアとなる。1時間ほど乾かしてから、いよいよ色ニスのタンポ塗り。

その色ニス。今回は少々凝っている。
例のリノキシンが入っている。あとコーパル、すおう、西洋ネズ、サンダラック、シードラック、そしてバリアコートにも使った精製セラック、溶剤は無水エタノール。これでやまぶき色のような感じになる。

ムラが出にくい方法ではあるが、それなりに面に対してタンポの軌跡を均一にしないとあっという間に濃淡ができる。そうなるとそれを均すのに一苦労。ヘタをするとモグラタタキの循環に陥ってしまう。

タンポの動かし方のポイント ; 
 円運動とか「の」の字とか「8」の字より「直線運動」を多くすること。
 特に裏板の塗り出しは直線でなければダメ

2008/03/26

春の朝

「春眠暁を覚えず」な人生ってあるのかと思っていた頃もあったが、
今ではほとんど毎朝その状況。そして鳥の声で目を覚ます。あの漢詩と同じだ。
その鳥はたまにはカラスだったりするが。

一方で、「春はあけぼの」を見ずしてどうするの。というのもある。山がだんだん白くなってきて、紫がかった雲がたなびく・・・云々。
その昔、土日以外は常にこの状況での通勤だった。でも特段あけぼのがいいとは思わなかった。
いいのは、どす黒かった山の木々が一斉に薄黄緑にぱあっと明るくなる頃。

工房の石油ストーブはもう要らないのに、その上に載せたヤカンのお湯でコーヒーを淹れるクセがついてしまっているので、朝の一杯目を飲むまではまだご厄介になっている。

2008/03/19

カエデの着色

ローズのギターは2本とも最終塗装を終えた。あとは時間が仕事をしてくれる。
残るメープルのギターは指板を接着したところで、これも来週には塗装が始まるだろう。

この欧州産のメープルはほんとうに真っ白なので、薄茶色をしている表面板(大台ケ原産のスプルース)とは色彩バランスがものすごく悪い。
自然木に色を付けるのはあまり好きではないが今回はしょうがない。
昨年ハープをエンジ色に仕上げるのに苦労したことを思い出す。

みかんと柿の中間のような色をイメージして、ちょっとサンプルワークしてみた。
いわゆる縮み杢が出ているカーリーメープルなので、塗装するとぱっと立体感が現れるのが特徴。
ただし、アンカーコート(下塗り、捨て塗り)なしでいきなり色を塗ると立体感を通り越してタイガースよろしくただの縞模様になってしまう。

そのアンカーコートを何にするかで、上塗りの映え方がごろっと違ってくるようである。上塗りも何種類かあるのでおびただしい数のサンプルができそうである。「実験計画法」も思い出したが、ここはベタで試してみよう。

ひとつありがたいのは、カエデなのであの空恐ろしい目止め作業が不要ということ。

2008/03/16

箱が鳴ってる

2台のローズウッドのギター、最終の仕上げ塗装を前に弦を張ってみた。弦はいつものリファレンス、プロアルテ・ノーマル。

2台ともいわゆる「箱鳴り」が強い。洞窟の奥に弦を張ったような。
弦を弾くと「ハ~イ、表面板におまかせー」じゃなく、楽器全体で「なんとかしようぜ」といってるようだ。

居間に持ってきて弾くと家内が「今度のギター、えらい大きな音やね。ギターの音って大きすぎてもいいの?」
まあ1m横で聞けば、たいがいのギターはやかましかろう。ただ、弱いタッチでもすっと立ち上がってくれるのは僕でもわかる。

うち1台は初めて採用したルッツスプルース。実は不安と期待が半々だった。

テクスチュアー的には細かい横木目も入ったりするが、響きは欧州産のマスターグレードにも勝るとも劣らないことがわかった。これならお好みによりじゅうぶん選択肢のひとつになるだろう。

一方の欧州東部産のスプルース、ニスとの相性も良くて色も木目もドイツ松より美しいと思う。音は「まったりと濃い」感じ。

Second Epoch のつづき。
今回からヘッドと口輪のデザインを変えた。それは音とは関係ない。
関係あったのは、板の削り方とバスバーの削り方。それから「イメージ」。
例の周波数解析は安心を提供してくれた。

ラ○レスⅢ世はギター作りにおいて叙情的な要素は一切排したという。作り手と弾き手が違うので変にハートが入った楽器よりは、単なる「変換器」に徹したのだろうか。ある意味で超人。
僕にはできない。

2008/03/14

ウグイスは難しい

野鳥のアップシリーズ。今回は隣の梅の木で啼き練習に夢中の鶯(ウグイス)。
と思ってカメラをセットしたのだが、非常に警戒心の強い鳥で、しかも360°周囲を気にしている。
メジロとは大違い。
ということで写真はおあずけ。またこんど首尾よく撮れたら日記に載せよう。

それにしても「ホーホケキョ」って誰がいったのだろう。お坊さんかな。うまいこというなあ。ひょっとして漢字で書くと「法~法華経」なのかな。

ニワトリが「クッカドゥードゥルドゥー」は有名だが、ウグイスは?スペイン人とかフランス人に聞いてみたい。
2008/03/08

うつろい

『早春賦』が似合ってたのは昨日まで。今日はもう『春の小川』の空気。

「えらいもんだなあ」。天を見上げる。なぜか感謝。

    -・-・-・-

おりしも来週から塗装にはいるので、まさに天の恵み。

予報どおりの気温と湿度なら早さも仕上がりも違う、なにより気分がいい。



春は別れの季節でもある。

ロマニリョスのマスターコース後は自分にとって second epoch  と思っている。その記念すべきNo.1号器、塗装が済めばもうお嫁入り。
2008/03/03

フレット打ち

製作中のギター、フレット打ちの段階になった。ちなみに自分は比較的細めのフレットワイヤーを使う。

フレット打ち作業も作家によっていろいろだ。この作業のよしあしと、後の上面(うわつら)の平面出しは、弾きやすさに大いに影響する。特にセーハしながらの演奏で、音が出にくかったのがクリアーに弾けたりするのである。

さて、フレットワイヤーの脚には打ったあと浮き上がりにくいように「カエリ」の役目をするイボがついている。
しかし相手は何と云っても黒檀、しかも木口面に喰いこまねばならない。オリジナルフレットのまま適当な叩き具合ですんなり入るようだとそれは点で止まっているということで、木の変化を考えると甚だ気持ちが悪い。かといって強引にイボを喰い込ませようとするとぴたっと根元まで入らないことが多いし、ネックが逆反りしてしまう。

そこで、そのイボを適当量削り取る必要が生じてくる。イボをきれいさっぱり無くしてしまう作家もいるが、自分はほんの少しだけ残す。
この作業がけっこうまどろっこしい。今まで金工ヤスリでひたすらガリガリガリガリ。
通販で専用の道具も手に入ると聞くが、今回工房にあるもので考えみたの下のが写真。

ドレメルのミニルーターにプランジベースを付けて細目砥石で削り取るというもの。これで1分以内でギター1本ぶんのフレットワイヤーのイボ研磨が完了する。

写真では木片で対面を押さえつけているが、実は左手親指の爪のほうがコントロールが効きやすい。
もしギャップ調性可能なローラーでも対面に付けてパテント出せば、USAの某ギターパーツ屋が買ってくれるに違いない。

☆真似されるときはくれぐれも自己責任でお願いします。


フレットワイヤーの研磨