2008/02/28

ベンディングマシンの改造

bending machine full view  bendhing machine bar-cramp

ギターのサイド板をひょうたん形に曲げるのに重宝するのが「ベンディングマシン」。サイド板だけでなく、バインディングやパーフリングにも使います。
たいていの製作者はいろいろ工夫を凝らしてこのマシンを自作します。

きょう半日かけてちょっと改造してみました。モデルは昨夏シグエンサ(ロマニリョス講習)で見てきたものです。改造点は次の2点です。

 A. 0,3mm厚のSUS板を0.7mm厚の黄銅板に取替え
     これで飛躍的に剛性が増しました。もう板に負けません。熱伝導もいいです。

 B. 曲げようとするものをその形状に保持するクサビ式のクランプを新設
     写真のとおりです。材はミズナラです。これはスグレモノ、ピターっと安定します。
     クランプバーは任意のポジションで固定できます。

さっそくテストしたところ、ほとんどテンプレートどおりに曲げることができました。成功です。

これをご覧のあなたも参考にされてはいかが ♪

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2008/02/27

ちょっと朗報

迷惑メールの広告主に刑事罰が新設されるらしい。送り主を特定できるのかという懸念はあるにしても犯罪として認知させることに意義がある。

その類のメールは日に何百もくる。これらは自動的に「迷惑メールボックス」に放り込まれるが、たまに迷惑でないものまで入っていることがあるので始末が悪い。

迷惑メールの送り主ほど最低の輩は世の中におるまい。これは、一瞬たりとも目撃したくないTVの番組を作っては衆目にさらすことよりもひどい。

もうひとつあった。これも横綱クラス。
それは、2本しかない手で忙しく糊付けしている時にでも容赦なくかかってくるロクデモナイ迷惑電話。
2008/02/21

篳篥という楽器

今度の演奏依頼。「東アジアの楽器に限る」というのでサクソフォンもギターもダメ。
尺八か一節切り(ひとよぎり)という話しもあったが、このたぐいはまず音を出すのに何年もかかりそうなのでお断りした。それなら篳篥(ひちりき)でも、ということにあいなった。
場所は大阪城の近く、ちょっと有名な日本庭園。なるほど。

その篳篥なるもの、初めて手にした。要するに縦笛である。長さ20cm。オーボエより少し大きいダブルリードで鳴らす。
そのリードには「せめ」と呼ばれる籐の輪っかをはめて先っちょの開き具合を調整する。
この「せめ」はサックスのリガッチャーよりもはるかに音の出具合を左右する極めて重要なシロモノであることが後々わかってくる。

ものの5秒鳴らすのに目まいがする。30秒で口がゆるんでスカスカになる。なんだコリャ。
いろいろ調べると、やっぱりリードだリード。買ってきたままの姿では鳴るわけがないのだ。

かくしてオーボエ奏者と同じ苦労を身にしみて味わうことになった。
商売がら削る道具は何でもござれ。ノミ、小刀、スクレーパ、サンドペーパ・・・。ないのは経験とノウハウ。
サックスのリード削りのノリでやってみる。失敗を想定してもとからリードは2つ買ってある。

削りすぎるとペロンペロンの音になるのはサックスといっしょだろう。削る箇所?とりあえずそれもサックスと同じとしょう。
お茶に漬けながらああでもないこうでもない・・・実はお茶こそ篳篥にとって欠くことのできないアイテムなのだ。

なんとか目まいをせずに鳴らせるようになった。ははぁ、これは面白い。

かの東儀秀樹氏のような音色を一生懸命イメージしてみるが、いささかほど遠い。
独特のポルタメント奏法にも挑戦してみるが、思いっきり野暮ったい。
さらに、きっちりとした平均律の楽器ではないので音痴に聞こえる。というかこれは吹き手が調整できていないからだろう。
何もかも吹いたその日に出来るわけがない。

これで人前で演奏できるのだろうか・・・当日は自作のハープとアンサンブルするプログラムなのだが。
まだ3週間ある。
少なくとも失礼のないようにだけはしなくてはと思うので、夕方ギター作りが終わってから練習する。
小さいころ、日が暮れて笛を鳴らすとヘビが出てくるといつも母に怒られたが、幸い今年の冬は寒いので大丈夫だろう。

どうなるか楽しみやなあ、と思う自分・・・のんき。
2008/02/12

山の芋のおやき

この寒いのに雪山に行ってきた連れ合い、帰りに県内産という山の芋を何本か買ってきた。「安かった」らしい。
長さ一尺ぐらい。まっすぐではなくくねくねしていて太さも一定ではない。

さて、これでいかに酒を旨く呑むか。こういのは僕の仕事になる。

まず大根おろしですりおろす。けっこうなねばりだ。そこですり鉢の登場。卵を割って、だしも適量くわえる。
そしてスリコギをグルグルゴシゴシすること10分。

これによってねばり気が少なくなって、空気をかんで(あわ立つ感じ)分量が倍ほどになる-ここが肝心。
すごくなめらがで、ズルズルとした感じはない。

もちろんこのままいただいても十分おいしい。
しかし、ここでひと手間をかける。
ひとくち大の大きさでフライパンで焼くのである。裏表ともほんのちょっと焦げ目が付く程度に。

なんとも幸せな味と風味。
焼かなかった「とろろ」もいっしょに楽しむ。
いやあ、日本酒にぴったり。「冷や」のほうが合うかな。

ちなみに酒は何十年も付きあっている地元の「金鼓」。

2008/02/09

柊に2羽のメジロ

また積雪日です。これで3回目です。ツララも久しぶりに見ました。

雪の日の野鳥撮影。今回は、メ ジ ロ。
裏の柊(ひいらぎ)の木でちゅんちゅんと声がするのでよく見るとメジロが2羽。たぶんカップルでしょう。

あわててカメラと持ってきて構えました。メジロってちょかちょかちょかちょかとしてじっとしていません。
頭に雪が積もってくるほどじっと待ちましたが、2羽いっしょのところはついに撮れませんでした。

バックが雪で真っ白なので少し露出補正しましたが、それでも暗めですね。
ヒイラギにメジロ
2008/02/08

テルミン

今年はどうも毎月何かしらイベントがあるようだ。でも本職とは関係のないのが多くてほとんどサクソフォンがらみ。ソロだったりピアノといっしょだったり、ちょっとしたアンサンブルだったり。ワンコインコンサートなんてのも。

今月の出し物の中に「テルミン」の演奏がある。先日一回練習しただけでもう本番。
アンテナが2本あって、これに手を近づけたり離したりして演奏する。ひとつは音程用、もうひとつは音量用だ。魔法みたいな楽器。
早いパッセージや跳躍の激しい曲では難儀するが、慣れてくるとこれがなかなか面白くてやめられない。一期一会の演奏。pp~ffも自在でビブラートだってかけられる。
しかし倍音の乏しい単純な電気発信音なので安らぎを覚える人は少なかろう。売りはむしろ演奏のエンターテインメント性かも。

で、そのカラクリは、

そもそもあの音は2つの波が干渉するときの「うなり」である。そこでひとつの波は固定しておいて、もう一方の波の周波数を変化させることにより「うなり」の音程を変化できる。
実は奏者の手とアンテナでコンデンサーを構成している。このコンデンサー容量は手とアンテナの距離の2乗に反比例することを利用して、内部のL-C発振回路の周波数を変化させるということ。

て云われればいたってシンプルではあるが、何んにも無しからこれを考え出したのは素晴らしいと思う。100年ほど前にロシア人がこれを発明し、演奏した時はみんな腰を抜かしたに違いない。

いまや数千円の雑誌の付録にテルミンが付いている。これがえらく好評で増刷したとか。

P.S.
そういえば、テルミンとノコギリの音楽が好きだったW君、首尾よくパイプオルガン作りしていますか?
もしこれをご覧だったらお便りを。
2008/02/06

来客

いつもお世話になっているギタリストのKさんが訪ねてこられました。
6月のある催しについての『取材』を兼ねての打合せといったところでしたが、Kさんのファンでもある僕としてはうれしくて有意義な午後でした。

ちょうど製作中のギターをまえにQ&A。その間デジカメをパチパチ。
プロギタリストの質問は核心を突きます、且つ具体的なんです。

そして試奏タイムとなりました。
「楽器を弾けば作者の人となりみたいなのが良くわかるんです」とKさん。
「そうなんですよね。不思議ですね」
工房に最新作を用意していました。そのギター、実は茨木市のあるセンターで既に弾いてもらっているんですが、あらためて工房でということで。

「音に華がありますね」
「和音の重なりがいいですね」「低音が上手に支えて」
いちばん嬉しかったのは、「音楽ができる楽器です」でした。
そのなかに、「パワー」とか「迫力」ということばがなかったことも含めて、僕が感じていたイメージと同じでした。

最後にあえて訊いてみました。
「お弟子さんに薦められる楽器でしょうか?」
「もちろん。十分です」

ああよかった。

Kさん、明日もある製作家を訪問するそうです。僕も付いて行きたい・・・
2008/02/04

640mmのギター

何年か前に弦長635mmの19世紀ギターを手がけたことはあるが、通常のギターはこれまで650mm(正確には652mm)で通してきた。
そんな中で、あるご婦人から弦長640mmでという注文がはいった。

さあこの12mmの差をどう考えるか。
計算すると低音側で2%、高音側で4%ぐらい弛めに弦を張ることになるし、フレット間隔もそれなりに短くなる。さらにはネックも細めにということなので、特に女性には相当弾きやすい楽器になりそうだ。
弦の張力差については選ぶ弦によって調整が効く範囲かと思われる。

懸案はサウンド。

トーレスの本を読み返してみた。645mm以上はけっこうあるのだが意外に640mm近辺となると片手に余る。そしてどうも645mmを境にしてボディの大きさを変えている傾向がうかがえる。もちろん例外もあるが。
なお、彼にしては大型の表面板も現代のギターに比べれば少し小さめではある。

自分の最新版モデルのプランティージャ(表面板の形状)はトーレスほどではないが少し小ぶりでデザインしている。
案外640mmでもそのまま対応できそうな気も・・・・。ひょっとしたら少し鼻にかかったような感じが出るかもしれないが。
もし致命的にプアーな響きになったときは、それこそ 『いい勉強』 ということでまた作ればいい。

弦長だけ変えるというバリエーション。おもしろそう。