2007/09/29

足跡象嵌の裏技とは

craftm_nekoashi.jpg前回の日記で紹介したネコちゃんの足跡象嵌(インレイとも云いますが)です。こんな仕事久しぶりだったので肩がこりました。

<手順>

①パソコンでプリントアウトした原図をローズウッドに貼り付ける 水溶きボンドでOK
②糸鋸で切り抜く ノコ刃は1mmかそれ以下の細いやつ
③パーツを地板(今回はキャビネットの天板です)に並べて鉛筆でかたどる
④直径3mm以下のスパイラルビットをつけたトリマーで彫っていく (私はドレメルを使用します)
  ポイントは鉛筆線のギリギリ内側を、一筆で彫っていくこと できれば息を止める
  埋め込むローズウッドは2mm厚なので、深さは1.5mmぐらい 
⑤木づちでたたきながらタイトボンド(or エポキシ)で接着 そのあと当て木をして上からクランプ
  接着剤にローズウッドの粉を混ぜておいて、ついでに隙間を埋めるというワザもあります
⑥乾燥してから、ローズウッドと地板が全くのツライチになるように鉋で削る、でも地板は削らない  見映え的にここが最も大切です
  サンドペーパーでローズウッドだけ平面に削り取るのは至難の業です。
  地板までこすってしまうと・・・・プロゴルフのグリーンみたいな凹凸が。

②③④と進むにつれて肩こりはピークに達しますが、⑥でうまくいくときれいに治癒します。
 

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2007/09/25

月光

今夜はcraftm_neko_ash-2i.bmp仲秋の名月。
ちょっと気どって外に出てギターを弾いてみた。

蒼白く輝く衛星を見上げて奏でるは、もちろんソルの「月光」。
ちょっと出来すぎかなと思ったが、どうもいまいちしっくりこない。
やっぱり合わないんだ。日本の月夜とバルセロナ出身者の曲とは。
今夜はスペインも満月なんだろうな。

それはそうと昨日までとはうってかわって寒いくらいに涼しい。えらいもんだ。
一日で秋になってしまった。
こんな気持ちのよい夜は一年をとおしてもそうないだろう。
秋の夜長・・・・。

ところで右の画像は?そうネコの足あと。モデルはうちのトラちゃん。
お客さんのたってのご要望で、これをいま製作中のキャビネットの甲板に原寸大で象嵌する。
ピンクの木ってあるのかしらん?パープルハートが近そうか。でも黒檀にしようっと。
そのトラちゃん、ちょっと涼しくなったらもう膝の上をハシゴしまくり。
2007/09/24

黄色い彼岸花

休日の朝はだいたい隣の明日香村へ野菜を買いに行く。農家からの直販なので新鮮だし安い。
今日は早めに出て、村内にある稲渕(いなぶち)の彼岸花とカカシを見に行ってきた。
見事な棚田の一枚一枚の畦に真っ赤な彼岸花の縁取り。例年ならそうなる頃なのだが、さすがに猛暑だったためか今朝は3割ぐらいだった。

それにもかかわらず早朝から隣府県の車が多かった。田んぼの周りはさながら三脚カメラの品評会。ここではデジカメのほうが少ない。
あぜ道ではさまざまな創作カカシが出迎えてくれる。コンペになっているのでどれもなかなか素晴らしい。
あと4、5日もすれば彼岸花は満開、空気もようやく大陸のもの入れ替わるだろう。今度は自転車で行ってみよう。





craftm_ask1.jpg craftm_ask3.jpg craftm_ask2.jpg
2007/09/18

北口功さんのギターリサイタル

昨日、茨木の「きらめきホール」で行われた。定員500弱の中ホールが満員だった。
久しぶりにいい音楽を鑑賞した思いだ。途中で何度も胸が熱くなった。

演奏中は一部始終物音ひとつせず、ピアニッシモはもちろん実際には振動させてないだろう音までフレーズとして聞こえてきた。奏者も観客もいっしょに集中していた。
休憩中、ある女性のこんな話も・・・・静かやったね。ツバを飲むのも気ぃつこうたワ・・・。

ギターは、松村ギター。ご本人もお見えだった。ロビーで顔があうと「・・・・スペイン、行ってきて良かったねえ・・・いっぱい勉強してきましたか・・・」といつものように優しかった。

そのギターは、コンサートが進行していくにつれて本領を発揮していった感じだった。
圧巻はバリオスの「森に・・・・」のトレモロのところ。天井から次々と音符が降ってきて、全ての聴衆をまんべんなく包みこんでいるのがわかった。なんという端正な音楽!。あのとき、「感動」以外の思考をしていた人が居ただろうか。北口さんは「魔法の箱」と副題をつけていた。まさにそのとおり。そして彼は魔法使い。

「奏者が創出したとおりの音楽が表現できなかったら、それは楽器の(すなわち製作家の)責任である」
この日の松村さんのおことばだったが、冷静に想い返してみればそういう場面もあったような気もするが・・・・・深いので次の機会にでもゆっくり考えてみよう。

 ソル /  アンダンティーノとワルツ
 ソル /  月光
 バッハ / ロンド形式のガボット
 タレガ  /アラビア風奇想曲
 ファリャ / ドビュッシーの墓
 アルベニス /アストゥリアス
 
 ポンセ / 南のソナチネ
 武満徹 / ロンドンデリーの歌・星の世界
 バリオス / 森に夢見る
 バリオス / ワルツ第3番・ワルツ第4番

 アンコール : アルハンブラ宮殿の想い出
2007/09/16

昨年の11月以来

というからちょっとびっくりした。久方ぶりの家具作り。そういえば一年前、あのS字型をした2400mmのパレットベンチでシックハックしてたっけ。

暑苦しさで閉口しながらも重作業はなんとか一段落した。幅1700で高さ600という背の低い開き戸のチェスト。
ホワイトアッシュはたいそう重い。そのぶん丈夫なので厚みは要らないのだが、見映えというかバランスを考えるとそれなりの厚みが欲しい。ちょっとしたジレンマ。

このアッシュは日本や中国のタモと同類ということで、色は白い(淡い)が木目はよく似ている。ただ導管が極めて細い。そのため木目の感じとは逆に木肌は女性的(つるつる)。ハードメープルみたいだ。

塗装はオークのフローリングに合った色をというご希望。
オワイトアッシュに着色するのは初めてだが - ちょっと楽しみではある。
2007/09/13

村治佳織さんからのプレゼント

ロマニリョスの工房で面白いものをみつけた。それは日本の鉋。寸八の立派な鉋。おびただしい数の洋カンナとは別の棚に大事そうにおいてあった。
その鉋をよく見ると鉛筆で何やらサインがしてあった。あっ、これは・・・
「そう、カオリ・ムラジがくれたんだよ。でも仕込み方がわからなくてサ」とマエストロが説明してくれた。
なんともウラヤマシイかぎりだ。

  右下の写真をクリックすると彼女直筆のメッセージが読めますよ。 

このほか、中屋の銘入りの本目立胴付き鋸も吊るしてあった。こちらのほうは、普段から愛用されているようで、「これがベストだよ」と嬉しそうに云ってくれた。さすがは世界に冠たる日本のノコギリ、それも本目立てとあっては言わずもがな。

kaori_to_Jose.jpg       kaori_chan_to_Jose.jpg

 ☆工房訪問のもようは、連載中の訪問記(WEBサイトのほう)で近日紹介します。
 
2007/09/09

マリアンからのメール

Toshihito Maruyama presenting José Romanillos with the special sander, Course 2007.jpgToshihito Maruyama presenting José Romanillos with the special sander, Course 2007.jpg
という長いファイル名の画像がマリアンから送られてきました。
マリアンとはホセ・ロマニリョスの奥さんです。古今東西、名工の陰には必ず素晴らしい伴侶が存在するといわれますが、マエストロも例外ではありませんでした。

題名にある special sander とは、私が日本から持ってきたハンドサンダーです。「これはよくできている。大変なスグレモノだ」と何度も手にとってまるで少年のようにお気に召しようだったので、進呈させてもらいました。
写真はそのときの一幕です。マリアンが撮ってくれました。マエストロはしっかり私の腕を握りしめて「アリガトウ」と日本語で言ってくれました。
2007/09/03

次回作のギター

大阪の「サンデーギタリストの会」という楽しそうな会を運営されているTさんが工房にみえた。
そして、折しも1ケ月間ケースの中で寝ていたギターたちを見事に目覚めさせていただいた。

さて、T氏からひとつ提案があった。スペインで途中まで作ってきたギターは完成させずにそのままの状態で残しておいてはどうか、とおっしゃる。このひと月のことがらをそのギターがずっとキープしてくれるから。
早く完成させて、弦を張って、何がどう変わったのかみてみたい。と当然のように思っていたのだが、ちょっと考えさせられた。

スペインで得てきた具体的なアイデアとか、吸ってきた空気、見てきた景色を、日本でいちから作るギターにどういう具合に反映できたのかまず確認するのも、ちょっとクールかも。