2007/05/28

TOKYOハンドクラフトギターフェスへの出展

この種の展示会へははじめての出展だった。

「まだまだやることがいっぱいあるなあ」
楽器の完成度というものに終わりがないということをしみじみ感じた。隣で展示していた大先輩の作家さんもに同じことを言われた。

絶対的に優れるものを具体的に目の当たりにすればするほど、自分の製作物の至らない部分を新たに発見もしくは認識させられる。これはギターに限ったことではなくてすべてに通用する道理と思える。

それを知らされてはクリアーし、また新たな至らなさを知っては克服し、また次の課題を発見するという繰り返しによって作品の向上がはかられる。

いくら有能なクラフトマンでも自分が認識できる範囲の「優れたもの」しか作りえない。


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展示会のレポートはHPのほうに記載していますので、よかったらご覧下さい。
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2007/05/23

Aru-Harp Gタイプ誕生

craftm_aru3_face2.jpg  craftm_aru3_nuts.jpg

前回の日記で宣伝したハープ。音域がG-GなのでGタイプと呼んでいる。
このハープ、両腕の内側に溝を突いていてここにパスケースのようなものを差し込む。そのパスケースの中にはつまびくべき弦を示した絵の楽譜とか、弦に対応させたピアノ鍵盤図などを入れる。

さらには液晶表示で、両手でつまびく弦を示すマークが順次スクロールアップするシステムも出来上がっている。慣れれば複数の指で弾くこともOK。スクロール式なので予測可能、つまりタイミングがとれるという仕掛け。

小学生や幼稚園児でも、いやむしろ大人より上手に弾くかも知れない。(東京のハンドクラフトギターFESで実演予定)

これらの演奏支援システムは多くの人々に弾いて欲しい、また音楽療法にも活用したいという願いから生まれた。


この新しい楽器の形と音がその一助となればこんな嬉しいことはない。

2007/05/18

美しくみえるサイズ

craftm_Aru3_fnsh.jpgAru-Harp第2弾も塗装にはいった。ギターと同じ全面セラック塗装。来週末のハンドクラフトギターフェス(東京)になんとか間に合いそうになってきた。

今度のモデルは、前回の約8割の大きさである。調律も一音高い。
さてこの大きさにしてびっくりしたことがある。

 美しい!

ものにはそれが美しく見えるサイズがあるようだ。
(音の良さとか、機能面は別にして)

新規デザインのイスなんかでまずミニチュアを作って各所を点検してから本番に臨むというのはよくあるが、作ってみるとどうもしっくりこないときがある。
ユニークなデザインであればあるほどそんな感じなのかも知れない。

そういえば新作自動車の発泡スチロールモデルは常に原寸である理由がよくわかった気がした。

写真 : 塗装中のAru-Harp Gモデル  上にのっかっているのはセラックニスを塗るタンポ


 

2007/05/11

40年一日のごとし

FMで小学校音楽教科で鑑賞するクラシック曲の特集があった。
そして驚いた。
40年以上前のそれとほとんど同じだった。
でも考えればもっともなこと。
40年程度で、すたれるようでは名曲とはいえない。
ベートーベンの「トルコ行進曲」
レハール「金と銀」
サン・サーンス「白鳥」
スッペ「軽騎兵序曲」
シューマン「流浪の民」
シューベルト「ます」



音楽室の匂い
作曲家の肖像画
横目で見るとこちらを見ていたあの子
2007/05/11

こんなハープです

craftm_AruHarp_N2b.jpg意匠や商標の登録申請も済んだので、いよいよ公開できることになった。HPにはすでにアップした。Aru-Harpという名前が最初からついている。仕様などの紹介はHPと重複するのでここでは省略する。

この楽器は基本的にはギターと同じ発音機構によるが、胴(ボックス)の内部構造は全くちがう。25本もの弦の張力に耐えるようにしているためである。ボックスが共鳴して弦の振動を増幅するという原理に逆行するのであるが、まずは耐久性を優先した。

ナイロン弦やフロロカーボン弦を張ってみる。
ギターでいうと口輪の指板寄りで優しくアルアイレした音色をさらに柔らかくしたような音色である。強弾しても音は割れないし余韻も思ったより長い。俗な表現だが「癒される音」。

この音色は、弦長の半分は背面に何もない(実は空気がある)ことが関係していると思う。そういえばグランドハープでは全長にわたって何もない。弦の周囲の空気を巧妙に活用しているのかも知れない。
ぞれからこのハープを印象付ける両腕も、音の響きに大きく影響していそうだ。

なにげなく作ってきたギターの構造をあらためて考えてみると、実は極限の極限まで部材がシェイプアップつまり最適化されていることに驚く。このAru-Harpもしばらくは作るたびに洗練されていくだろう。

2007/05/03

ハープVER.2

処女作にまずまず気をよくして早くも第二弾の製作に取りかかった。

「あれでああなら、こうすればこうなるだろう」というのをできるだけ設計に反映した。今回は可搬性を重要視する必要があったので、ほぼ相似形で全体を縮小。そのぶん音色のコントロールに重点を置く。
サウンンドボードに例のLutsSpruceを採用してあとは無垢のホンジュラス産マホガニーで構成する。

楽器を作るときはターゲットとする音のイメージが大切といわれる。

だいたい弦の中心付近を弾くので必然的に柔らかい音となるが、単純に柔らかい=美しいとはならない。
各種ハープの音源を聴いてみると、自分が「綺麗!、美しい!」と思えるものに共通するのは柔らかさに「澄んだ透明感」がかぶさっているように感じた。音の芯も存在するが輪郭はなくて周囲に向かってグラデーションがかかっている感じ。
クラシックギターと似ているようで、ちょっとどこか違うようだ。