2007/02/28

山廃仕込みの酒「金鼓」

父から受け継いだもののなかに酒がある。

自分が子供の頃から父が晩酌していた酒、それと同じものを呑んで自分も30年近くなる。もちろんそれ以外も喜んでいただくが、やっぱりいつものやつがいいと思う。

今日の地元新聞にその酒造メーカーの取材記事があった。「昔ながらの山廃仕込み」と題して、あの味の秘密をちょっと解説している。要は昔のように時間と労力をかけているということ。

コシの強い味わいと、一口飲めばわかる絶大なインパクト」とその酒を形容している。見事にドンピシャで自分の感覚と同じだ。記事を書いたライターの好きさかげんがよくわかる。
また「昔ながらの味わい」とも評していてこれもなんだか嬉しい。
ついでに言わせてもらえば、絶大なインパクトがあるのに、その気になればいくらでも・・・・・。

昔で言えば二級酒ゆえに値段も手頃。

熱燗もいいが、自分は真冬でもヒヤでやる。
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2007/02/25

弾きやすい楽器はいい楽器

craftm_crm09_FB.jpgどんな楽器でも、いい音や気に入った音がする(出せる)ことがもちろん大切だが、それに匹敵するのが「弾きやすさ」とか「吹きやすさ」。
これがまずいと楽器のもつポテンシャルを引き出せないし、また思うように音楽表現もできない。

楽器は自己表現の単なる道具・手段とよく言われるように奏者の意のままに機能を発揮せねばならない。変なクセがあって演奏するときに気を遣うようでは、いくらいい音がしても受け入れられないだろう。プロの演奏家ならなおさらである。

さて、ギターの弾きやすさについて。
やはり奏者とのインターフェースとなる部分、指板と弦が重要だろう。
弦そのものは製作側とは関係ないが、ナット側、サドル側の弦間寸法は0.1mmを気にする人も多い。

次に指板(フィンガーボード)。当然ネックも含めてこれがやはり最も関わりがあろう。
指板幅とネック厚みまたその分布、ネック断面形状は奏者の好みが多様だ。ブーシェのネック断面は左右非対称だそうだ。自分はあまり気にしないのだが、演奏レベルから考えると論外。

音の出しやすさに大きく関係するのは、フレットを打ち込んだときの平面性。これを全くの平面にするか、アコギのように若干かまぼこ型にするかという選択肢はあるが、いずれにしても少なくとも隣あうフレットの頂部同士が全幅にわたって同じレベルでなければならない。
加えて、指板面からフレット頂部までの距離も同様である。(凹凸のある指板にフレットを打って、フレットの上面だけ均してもダメということ)

これらが完璧なら、どのポジションでセーハしてもストレスなく6弦ともきれいに鳴ってくれるだろう。

ギターをお持ちの皆さん、ご承知のように木は変化するので、知らぬ間にデコボコになっていて無理して弾いている・・・可能性もありますぞ。

写真 : その大切な指板を接着しているところ
2007/02/19

木曽ヒノキ

craftm_kisohinoki.jpgしばしば珍しい木を持ってく来てくれる友人の大工さん、『これ、ギターにどないや?』と例によって大きな声がした。

一目でそれとわかる木曽ヒノキの四方柾だった。何十年間も建具に使われていたので、シーズニングは十二分。ギターの表面板にちょうどよさそうな大きさで、厚みも3cm近く楽にブックマッチに挽き割れる。

さすがに目が細かい。木曽山中それも北側斜面に育ったのかもしれない。県産の良材、吉野桧もこんなのは皆無だろう。外見はギター用ドイツ松の最良材に勝るとも劣らない。
『伊勢神宮に使う木みたいやね』
『そうや。ええやろ』

以前にも書いたが、いちど国産材だけでギターを作ってみたいと思っている。それもできれば再利用材がいいと。
この木曽ヒノキなら、極限まで薄くして作ることが出来るだろう。計画に一歩近づいた。
2007/02/16

トルメックで鑿研ぎ

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鑿(ノミ)は細いほど研ぎにくい。

3mm幅(1分)と1.5mm幅(5厘)の鑿はギター作りではなくてはならない。しかもピンピンに刃がついてないとダメなんである。
今まであたりまえのように手で研いできたが、ちょっと魔が差して電動砥石(写真左)でやってみたら・・・。

直径約10インチの回転砥石に刃を当てるので、刃のしのぎ面はまっすぐにはならずに、半径5インチのアールがつく。このアールのおかげで、いい塩梅に刃の先の先までピンピンになる。(右の写真でわかるかな?)
仕上げは、もう一方の回転輪についている皮砥にコンパウンドを塗って行なう。刃裏をあてて刃返りを取れば完了。悔しいけど手で研ぐより遥かに切れ味がよかった。

この電動砥石は刃物研ぎでは世界的に有名な水研ぎシステム。自分は木工旋盤用の刃物研ぎのために買った。刃物ホルダーさえあればナタでもハサミでもきれいに研げるという。DVDまで付いてくる。
今回の細い鑿、標準で付いてくる洋鉋刃用のホルダーに幸い取り付けられた。あとは回転する砥石の上をただひたすら往復するだけである。

これで40mm以上の和鉋の刃を研いだらどうなるか?
間違いなくシャープな刃は付くだろう。だが、プロの道具として信頼できる「精度」となれば、モーター駆動系と刃のスライド機構にあと一桁以上は投資しなければ無理だろう。

あの四角い砥石と人間の手で必要十分なのである。

2007/02/08

琴座に弦を張る!?

ハープ作りを頼まれてからいろいろ調べているなかで、弦の張力からピッチ(音程)を計算する式があった。他に因子は弦の長さと弦の密度。これがあれば少なくとも強度的には安心できる弦楽器を設計できる。

①25本の弦はナイロン弦と羊腸弦で構成するとして、要求された音域をカバーするための弦長を求める。

②それを元にトータルの張力を出して(6弦ギターの5倍強となる)、部材やフレームの必要寸法を計算。共鳴箱の表面板厚をどこまで薄くできるかがポイント。30年前に学んだ「材料力学」がこんなところで活きる。

③あとは全体の意匠デザイン。グランドハープやアルパやアイリッシュイハープは楽器論的に合理的なV型であるが、今回はそうじゃなくてギリシャ神話にでてくる「水瓶」型のハープを強くご希望だ。

ブリッジとナットの位置関係につじつまをあわせながらあの琴座のような形にしなければならない。なんとか図面上では描けたが、3DのCADとはいえやはり絵だけでは最終的にGOの判断がつかない。

新規に椅子を作るときもだいたい1/5でプロトタイプ(雛形)を作ってから本番にのぞむことにしているが、案の定ほぼ100%で見直しが入る。
それも踏まえて今回のハープもまずプロトタイプから。

ギター作りの合間の気分転換にちょうどいいかも。
2007/02/05

冬の音

年明けから、小寒、大寒ときて三つ目が立春。黄道の15°ごとに節季があるので、もう45°進んだことになる。
俳句をやっている連れ合い、「今日から季題は春ね」とどこか嬉しそうだ。

小学校時代の立春のころ・・・(奈良盆地のはなし)

・田んぼの霜柱。稲の切り株ににょっきりと大きいものは10cmはあった。これを逃すまいと跳びながら踏み歩く。シャカシャカという音がした。

・家々の軒先の氷柱(つらら)
いちばん長いのを競争で探す。それをポキッと折って学校へ持って行く。それを石炭ストーブに押し当てるのだ。字や絵を描くがすぐに消えてなくなる。ジューンと音がして湯気がのぼる。先生に見つかるとしかられる。

・お昼の弁当。
スチームの弁当温め装置があった。燃料は石炭。これで生徒も先生も弁当を温める。朝いちばんに入れておく。
お昼、日直がみんなの弁当を専用のかごで運んでくる。たいてい何か言いながら。
アルマイトの弁当箱どうしがぶつかるコツコツという音といっしょに、いい匂いが教室にひろがった。

今はもう聞こえない音だが、頭には録音されている。
2007/02/02

これはちょっと面白いかも

突然の来客。
「ハープを作って欲しいのですが」
 「ええっ! ハープってあの(グランド)ハープ?」
「いいえ、ちょっと小さめで誰にも弾けるような」
 「小さいってどれぐらい?弦は?」
「50cmぐらい、25弦で」
 「玩具ですか?」
「違います。優しくて安らぐ音がする楽器としてのハープが欲しいんです」
 「誰にも弾けるって何かお考えがあるんですか?」
「あります。例えば ・・・・云々」(・・・は公開できません)

音楽の先生だ。いろいろな生徒に広めていきたいとの強い熱意に打たれて、「それではサンプルを作ってみましょう」ということになった。
ギターを作っている最中なので早速は取りかかれないことを了解してもらった。でも夜のパソコンタイムは専らハープのリサーチ。ハープにも多くの種類があること、サウンドボードもサウンドボックスもブリッジもあって発音原理はギターとよく似ていることなどがわかってきた。ご先祖様なので当然か。

楽しみがひとつ増えた。