2006/12/29

♪そこに~はただ風ぇが吹いているだけ

木工房を始めて3年が過ぎようとしている。サラリーマン時代より確実に早いと感じる。

 ・量より質、職人的速さ
 ・井の中の蛙? 自己満足? チェック!
 ・おのれの首を絞めるような仕事の仕方はしないこと
 ・最善を尽くすこと
 ・休むべきときは、休むこと

今年のメインイベントはやはりパリでの出来事とドイツでの材料買い付けだろう。この先の仕事に間違いなく大きな影響を与える旅だった。
大型家具続きで夏はよく汗をかいた。こんな小さなアトリエで作れたことにちょっと感動。
ギターは4本誕生。何より皆んな病気も怪我も無く、まずまずの年だった。

と、ふり返っても ・・・・ タイトルのごとき(40年前の歌詞)フォークソングがある。
そして 『ふり返らず、泣かないで、歩くんだ』 と続く。
分かるようで、いまだによく分かりませ~ん。

2006/12/28

ギターに漆?

craftm_08_precoat.jpgトーレスVer.2も塗装段階。写真は下地を塗ったところ。
例によって今回も全面にセラックニスを使う。

さてクラシックギターをもし漆で仕上げたらどうだろうか。ただしハケ塗りでは膜が厚すぎて楽器にならないので拭き漆で。
漆の膜はセラックより相当硬いと思われるので、表面板に塗るのには勇気が要るだろうけど、「カーン」という乾いた音がしそうで興味がわく。そういう意味ではスプルースより杉のほうがマッチするかも、
横と裏板にはあまり問題なさそうに思う。ローズやメイプルに拭き漆、考えただけでゾクゾクする。それに耐久性は折り紙付きだ。
場合によっては表面板はセラックにしてもよい。
でも漆は湿気で硬化するので実際に塗るときはちょっと実験が要ると思っている。

漆を塗るともはや伝統的なスペインの楽器ではなくなって、「何これ?」といわれるかもしれない。
桧や桐さらに桑や竹で作ったギターを見たことがある。『それはギターとは云えない』という話しもあるが、私は大賛成である。ギターも case by case で弾き分ければいいではないか。案外ヨーロッパ人には受け入れられたりして。

2006/12/24

歓喜に寄す ~ An die Freude ~

昨年のいまごろも第九についてツラツラと書いたなぁ。何かを恒例にしてしまうとなおさら時が早く感じられる。
奈良県が誇る、天理市民オーケストラとコーラスによる第九演奏会、もう十数回目だそうだが初めて聞かせてもらった。市長の挨拶から幕があく。その昔、何度もステージに上がった懐かしいコンサート会場は見事に超満員。
まず二つの序曲を聞かせてくれた。ドン・ジョバンニ、そして喜歌劇こうもり。アマチュアということでなぜか自分が緊張したが、それはすぐに消えうせた。まとまっていて、いい味も出ていて、若々しい演奏だった。

そして第二部がベートーベンの交響曲第九番合唱付き。
いみじくも家内がつぶやいた。「カラヤン/ベルリンフィルのよりこっちの生演奏のほうが断然いいネ」。行きのクルマの中で聞いたFMと比較しての話し。
さすがのベルリンフィルも電気信号になってしまっては、生音には勝てまい。バイオリン属など木製の楽器は特にそうだ。
それにしてもバイオリンという楽器のパワーはすごい。特にコンサートマスターの音は管楽器がフォルテシモでやっていても絶対に聞こえていた。あんなに小さくて薄っぺらなボディなのに、弓でこすったときのエネルギーを何倍にも増幅して音に変換しているのだろう。それがビオラになるとガクンと声量が落ちるのは、やはり最適の面積というか容積みたいなのがあるのだろう。

さて終楽章。4人のプロのソリストは指揮者の前で演奏されたのがよかった。コーラスは約200名。そのうち男性は1/4ぐらいに見えたが、フォルテになっても負けていないし、いいバランスだったと思う。皆さんお口を大きく開けてはっきり堂々とドイツ語の詩を暗唱されていた。その歌声とお姿に胸が熱くなった。
実はソプラノパートの知人にチケットをいただいたのだが、彼女も最上段に確認できた。詩の意味をかみしめているような表情が伺えた。そしてコーダの終盤、合唱パートが歌い終えた瞬間にちょっとにっこりされたようだった。

アンコールは、「ふるさと」と「蛍の光」。プログラムに歌詞カードが入っていて会場全体の大合唱。大きな声でなければ苦しいぐらいのキーで演奏されたのがよかった。

天理の第九。来年も楽しみだ。

2006/12/22

目標管理

って懐かしい単語。それは以前の勤め先の仕事のやりかたで、事前に決めた目標を実現させていくための手法。
これがどうも骨の髄までしみている。年末の雑事に追われているのに、知らぬ間に今作っているギターを年末までに仕上げる段取りをして行動している。別に来月になっても誰からも何にも咎められないのに。作り始めるときにぼんやりと、「今年中に作ろう」なんて思ってしまったことが『目標』に進化していたようだ。
速さではなくて、いい楽器を生み出すのが目標だと、なんともあたりまえのことを自分に言い聞かせてちょっと待ったをかけたところである。

明日は何年ぶりだろう、第九のコンサートに行く。ほとんどアマチュアのオケとコーラスだが、それゆえに楽しみがいっぱいある。
2006/12/16

ミのアンサンブル

今朝のFMで、ミ・ベモル サクソフォーンアンサンブルのライブ演奏収録が放送された。20名以上のサックスだけのアンサンブル。
全員の師匠で創設者の前田氏のトークも良かったが、演奏が実に上品でエレガント。それが無理なく自然に醸し出されている。繊細さも迫力も併せ持つサックスという楽器のポテンシャルを改めて感じた。あんな大勢でもピッチのズレが感じられなかったのもさすがプロフェッショナル。

ウン十年前の吹奏楽部時代、実は自分の2年先輩に前田さんがおられた。そのときのご指導のおかげで今でも吹けていると思っている。その吹奏楽部のときいっしょに取り組んだ曲が、今日の放送の中で2曲も入っていた。ひょっとしたら前田さんも意識されていたのかも知れない。

終始ノンビブラートで奏されたバッハの「トッカータとフーガ」の上等なオルガンのような響きで胸が熱くなったし、ボレロではサッスクならではのダイナミックレンジの広さとピュアーなハーモニーを聞かせてくれた。
それにしても、岩田コンミス(コンサートミストレス)のソプラノサックスの音色、何とすばらしいことよ。

  ※ 興味ある方は、ミベモルサクソフォーンアンサンブルの公式サイトに行ってみてください
2006/12/15

めぐみのそら

昨日まで4日連続の雨、それもしっかりとした雨。この季節なのに家の桧の玄関引き戸が水分を吸って重くなっている。
折しもギターのほうは、表板に横板を接着する段階なのでずっと足踏み状態。
しかし!今日は実にいい天気だった。またあしたも日中は晴れるらしいので、絶好のチャンスとばかりペオネスという細片で表板と横板の連結完了。さらにサウンドバーのつっかえ棒まで接着できた。きょうの工房の最高気温は20℃を超えていた。
明日は横板をちょいちょいと削ってから裏板接着のためのライニングを巻けそうだ。
ということはあさっては裏板でフタをして「箱」の出来上がり。ここまでくれば塗装まではあまり天気を気にしなくてよい。

2006/12/13

スペインだスペイン!

monastery_siguenza.jpg

春から申し込んでいた、ロマニリョスのギター製作コース行きがついに決定した。毎年20名という枠内にはいれたということ。早くも来年の8月が待ち遠しいのと、勝手に緊張したりしている。

授業は英語らしいが3週間ぐらいは滞在するので、やはりスペイン語をなんとかしないと。
と思ってやおら資料集めを開始したところだ。

さて、ここで何を学ぶか?商売がらスペインの空気を吸ってくるだけでも値打ちはあるが、安くない費用と時間をかけて、道具や材料一式を持って怖い飛行機に乗っていくからには、いま世界最高峰と思ってやまないRomanillos氏と息子のLiamには崇高なる芸術を直伝していただきたいと望んでいる。

 写真 : 現地 (講習会のWEBサイトより引用しました)


 

2006/12/10

next is better

craftm_crm08_neckAsm.jpgトラディショナルなスペインの製作工法というのは、木工的立場からはいささか合理的とはいえないこともある。
しかし作るのは楽器であって家具調度の類ではない。それは商品や製品ではなくて作品。
なので今の方式はくずさない。
音の善し悪しは別にすると、作品の見映えというのは機械加工による一見整った姿よりも、手でこしらえたフォルムにこそ美しさを感じるものである。
だからといってそのフォルムに隙や歪みは断じて許されず、むしろ人間の手ならではというのがなければ意味がない。ギターより一桁以上高価な手工バイオリンをみるとよくわかる。

そんなことを思っているので作るたびにノートに必ず「反省」が書き込まれる。次回それらをクリアーしてもまた新たな反省点がという繰り返し。ひょっとしたら世界の名工さんも同じかもしれない。もちろんレベルは違う。でもこれが続く限り間違いなく next is better 。

写真 : 合体前のネックとサウンドボード
2006/12/09

mixiのこと

知人に誘われて今年の流行語にもなったmixiに参加した。巧妙なシステムである。なかでも”コミュニティ”というのがいい。珍しくてマニアックな話題がワンサカ。
今まで存在しなかったネタを見つけてはコミュニテュイを立ち上げて悦に浸る輩もいるようだ。
一応blog形式になっているのでダイアリーも書けるが、あっちもこっちもってなるのでもうこのblogにリンクするようにした。

ところで今年の流行語、知らん言葉がいっぱい。それとヨソの国にバレたら恥ずかしいと思うものもチラホラ。

2006/12/07

バオバブの国のローズウッド

craftm_bao.jpgトーレスのコピーモデルに気をよくしての第2弾は、表面板は古いドイツ松で、裏・横板がマダガスカルローズウッドと、ちょっとグレードアップ版。

マダガスカルといえば、太古の昔からアフリカ大陸とは離れているので、バオバブの木(写真)をはじめユニークな動植物が多い。
そして、『池に落ちたけど、息をしてるのでマダガスカル(まだ助かる』とか『もうヨルダン(夜だ)と思ったらまだビルマ(昼間)』てなことを中学のとき言っていた友を思い出す。

マダガスカルローズも削るとやはり薔薇の芳香がする。木の粉は赤ワイン色。他のローズウッドのように、この木もいずれ枯渇するのかと思うとしのびない。大切に大切に使わせてもらいますので、木の神様どうかお許しを。