2006/09/30

座面のかたどり

craftm_PB_sheet.jpg厚さ43mmのパレットベンチ座板のかたどり。その備忘録。
1.座面図面を原寸でプリントアウトしてつなぎ合わせる
2.これを3mm厚のラワンベニヤに貼る。後のルーター作業で3mmが適す
3.大きいのでベニヤも4分割した
4.ベニアを糸鋸でカットして整形しテンプレートとする
5.テンプレートをもとに座板に墨付けしバンドソーで粗取り
6.テンプレートを両面テープで座板に貼る
7.まず上部にベアリングがついているフラッシュビットでテンプレートに沿ってトリミング
8.その深さを徐々に深くしていく。
9.座板をひっくり返して、下部にベアリングがついたフラッシュビットでトリミング
ポイントは、バンドソーの粗カットのとき出来るだけ墨線に近いところを切るほうが、ルーターでの負担少なくキレイ。
A3のコピー用紙、湿度で1~2mmは平気で伸び縮みする。両面テープは5mm幅を数箇所で十分。
このあと、座面彫りを4箇所してさらに背もたれをつけることになる。まだまだ先は長い・・・

2006/09/25

ホンジュラスマホガニー入荷

craftm_H_maho.jpg広島県まで行って買い付けてきたホジュラス産のマホガニーが工房に到着した。おもにギターのネック用であるが、家具や小物にも使う予定だ。20年前に大量に輸入した材料なので間違いなくすぐに使えるシロモノ。もともとは婚礼用のチェストとかの「框(かまち)」用として丸太から柾目に製材したものなのだが、これがギターのネック材として幅も厚もうってつけの寸法だった。
ただ柾目取りといってもさすがにすべて四方柾材とはいかない。いわゆる追柾が多い。中にはキレイな木目が出ていて「これはギターのネックには使えんな」というのもある。まあそれにしても正真正銘のホンジュラス産の20年もの。えっ値段が気になるって?もちろんネック材としてはじゅうぶん安い。それよりこんなのが存在していて入手できたことが大きい。

2006/09/22

ベンチの脚切り

パレットベンチ、craftm_bnchleg.jpg座板を約1.5°傾けるのであるが今回は脚を切って全体を傾けることにした。写真を拡大しないと見づらいが、急ごしらえの木製トースカンで墨付けした。そして片側の脚の下には厚さ1cmの板切れをかました状態で行う。この方式は脚がランダムに10本も並ぶこんなベンチには極めて合理的といえるが床面が完全に平面でないと意味がない(実際の設置場所で行うのがベストかも)。あらためて工房床の平面をチェックすると重機械を置いてる付近は凹凸が大きくてNGだったが、すみっこにまあ許せるエリアがあった。
脚と幕板は小根ホゾで接合しているが、まだ接着していない。写真にはないがあらかじめポニークランプでしこたま締め上げて直角とかをチェックした。
この作業、鉛筆を床と並行に動かすだけなのにすんなりといかない。結局、鉛筆は絶対に動かないように輪ゴムでがんじがらめにして、トースカンの底面にはシリコンスプレーを吹いてツルツルにして、なんとか線を引くことができた。やっぱりトースカンは鉄製に限る。
聡明な読者は既にお気づきだと思うが、脚を切って全体を傾けると見た目も実質も不安定になるのではないか? そのとおりです。なのであとで脚を整形してこれをキャンセルするのです。
 
2006/09/20

パレットベンチ

ceaftm_palet_bench3D.jpgちょっと風変わりなベンチ。長さ2400mmもある大物で、ゆったり4人用。座はS字に湾曲していて端っこの一人分だけなぜか分離できるという、とっても変わったベンチ。名づけてパレットベンチ(上から見ると油絵のパレットにちょっと似ている)。
自分の頭の中の引き出しから出たものではなくて、「こういうのが欲しい!!」という依頼主のアイデアから出発している。
SH(sheet height : 座面高さ)が30cmと極端に低く、背板に肘をかけてもたれるという座り方。
イスに関しては人間工学を切り離さないで作ってきたが、そんなものとは無縁のデザインなところがなんとも新鮮でおもしろい。なので、ちょっとはりきって作っている。
木工的には、10本の脚に差し込む幕板がみんな90°ではなくて変な角度でホゾ組みするのですこぶる大変。脚に角ノミで穴彫りするときもいちいち角度治具が要るし、幕板の胴付き面も90°ではないので気も時間も使う。でもこれがオモシロイ。今回はいつもに増してCADに頼っている。
さて、ぐにゃぐにゃの背板、どうしよう? 薄板を積層しながら曲げるという手はあるが、まだ実績と設備がないのでやめとこう。となるとごっつい材料から切り出す?これはもったいないし、木目の方向によっては弱くなる。思案中だがおそらくギターのネック作りの手法(スカーフジョイント)を使うことになるだろう。・・・ つづく
2006/09/15

しょくにんみょうり

craftm_SA_ch2.jpg片肘のアームチェアーの納品に参上した。注文主は右半身リハビリ中というご婦人。肘掛けが片方というのはその婦人のアイデアだ。座面も立ちやすいように標準より少し高めのご要望で、これがちょうど隣にあるベッドとほぼ同じ高さになる。
食事やテレビを見るときのほか、ベッドとの相互移動、トイレに行くときの「手すり」がわりなど、いろいろな使い方を実演してくれた。右側にだけアームレストが要るのがなるほどとうなづけた。両方だと用をなさないし、無しでも利便性が半減する。軽い材料(アルダー)で脚なんかも細めにしたので、「片手で楽に移動できるね」。さらに「これでヘルパーさんも喜ぶわ」とも。
家具の納品に伺うと皆さん目を輝かせて喜んで下さるが、きょうこれまでで最高だったと思う。
寝ているとき以外は、ずっとこのイスが使われることだろう。よかったよかった。これぞ職人冥利。
2006/09/13

スス竹

 craftm_susudake.jpg
 顔と行動範囲のめっぽう広い友人のY君から「大量のスス竹ありますよ」と連絡があった。場所は家並みの古さでは日本有数の橿原市今井町。いそいそと見に行くと100年は経つという屋敷をいくつか解体していた。そして中に入って見上げるとどの部屋も一面に竹が敷き詰められてある。昔は板より竹のほうがコストが安かったのだろう。
さっそく軍手で軽くこすってみると、濃い飴色の艶がでてきた。まさに「スス竹」そのもの。この竹は特に和式の木工作品(指物類)には非常に珍重される材料で、天然物となるとモノがモノだけに入手困難なうえに値が張る。なので最近は人為的にスモークしたり染色したりして「生産」する業者もある。今回はY君の計らいで幸運にも相当量わけていただくことができた。心から感謝。また狭い道を往くために軽四を貸してくれたMさんにも感謝。いつかそのスス竹で小品でもこしらえて進呈しよう。
2006/09/11

北口功さんのギターコンサート

craftm_sorpic.gifまだ習って何ケ月の人も、この道何十年の大ギタリストもクラシックギターを手にする全ての人が弾くフェルナンド・ソルの作品。そのソルの作品ばかりを集めたコンサートに行ってきた。弾き手はことあるごとにお世話になっているギタリストの北口功さん。
ベートーベンからシューベルトの時代にかけて活躍したソルの生涯について大変興味深いトーク(というよりレクチュアー)をはさんでの演奏だった。
私はソルの音楽ほど所謂オーケストレーションを感じるものを他に知らない。1本のギターで、第一、第二バイオリンもビオラもチェロもコントラバスもちゃんと鳴っている。ときには笛やラッパや太鼓の音さえ聞こえる。形式的な美しさやバリエーション(変奏)でのテクニックの妙もあるが、何にも増してメロディーが美しい。おしなべていえることは「憂い」。特に長調の曲でそれが感じられるのが何ともいえない。モーツァルトにもそんなところがあるが、ソルの場合はちょっと色が違う。
北口さんはそんなソルの音楽を知り尽くされているのだろう。余すところ無く、しかし決してオーバーにならず節度をもって表現をされたように感じた。落ち着いた語り口のお話しも楽しめたし勉強になった。そして、あまたあるギター音楽の中でもソルだけは特別と締めくくられた。
2006/09/07

あれこれも

craftM_ori_rose.jpg暑さも季節には勝てないらしくグッとさわやかになった。この気持ちよさと比例するのが創作意欲。ものづくりは手よりも頭と心の状態が出来を左右する。
おそらく今月いっぱいは家具作りになるが、来月からは半年ぶりのギターモード。いくつか注文も聞いているので今から気合が入る。新しくロゼット(口輪飾りのモザイク)も発注したし、今やワシントン条約の附属書Ⅱに指定されているホンジュラスマホガニーも来週広島まで仕入れに行くことにしている。
今回のギターモードでは、注文品とは別に工房での展示/試奏用にいろいろ考えている。まずは杉のモデル。これは初めての試作となる。あと標準モデルなのにいま工房にはない松とローズのモデル。さらに春ドイツで買ってきたカエデを使った標準のギターと19世紀ギター、忘れてはいけないのがけっこう引き合いの多いフラメンコギター(これも初挑戦)とウクレレ。最後に、ともにウン十年物というとっておきのハカランダと松を用いたモデル。これは製作展や展示会を睨んでいる。
さてこんなにたくさん作れるのか? と自問するが、答えは簡単。これらが出来るまで家具モードに入らなければいいのだ。と現時点では考えているが・・・